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2013年F1カナダGPの見どころ

2013年06月06日(木)17:22 pm

伝統のモナコGPを戦ったF1は北米へ。モントリオールでのカナダGPに挑む。

・開催サーキット
カナダGPが開催されるのは、モントリオールのセントローレンス川に浮かぶ中州に作られたジル・ビルヌーブ・サーキット。カナダ出身の伝説的F1ドライバーであり、1997年のF1チャンピオン、ジャック・ビルヌーブの父であるジル・ビルヌーブの功績をたたえ、ジル・ビルヌーブの名がつけられた。

サーキットのレイアウトは、長いストレートを低速のコーナーで結んだものになっている。ストレートの終わりで低速まで減速し、コーナーを抜けてまた加速を繰り返す、いわゆる「ストップ・アンド・ゴー」のサーキットだ。そのため、ストレートでの最高速、そしてブレーキング時の安定性が重要になる。

また、低速コーナーでは縁石をうまく使うことでタイムを短縮できるため、縁石を積極的に使えるようなサスペンションのセッティングも必要になってくる。そして、激しいブレーキングを繰り返すことから、F1サーキットの中でも特にブレーキに厳しいコースになっており、過去にはレース中にブレーキディスクが割れてしまうというトラブルが発生したことがある。

持ち込まれるドライタイヤは最も軟らかいスーパーソフトタイヤと、それよりも2段階硬いミディアムタイヤ。スーパーソフトはタイヤ側面のロゴなどが赤、ミディアムは白で書かれている。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。

・クラッシュの可能性が高いレース
ジル・ビルヌーブ・サーキットは、公園内に作られたサーキットであるため、コースの大部分でコンクリート製の壁がコース間際に設置されている。そのため、ミスをした場合には壁にクラッシュする可能性が高く、セーフティカーが導入される確率が非常に高いサーキットでもある。

特に最終シケインには高い縁石が設置されていることから、少しでも縁石に乗りすぎてしまうとバランスを崩し、クルマのコントロールをできなくなってしまい、アウト側の壁に激突するというクラッシュが毎年のように発生。過去にも歴代のF1王者の多くがここでクラッシュしたことから、ウォール・オブ・チャンピオンズ(王者の壁)という別名までついており、カナダの名物コーナーになっている。

また、セーフティカー導入の可能性が高いことから、セーフティカー導入にも対応できる柔軟な戦略にしておくこと、そして、セーフティカーが導入された際に必要であればピットストップを行うなど、うまく対応する必要も出てくる。

・大きな問題になったメルセデスAMGのタイヤテスト
前戦モナコGPでは、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがポールポジションから優勝。これまで、決勝でタイヤをうまく使いこなせずに順位を落としていたメルセデスAMGだが、モナコGPでは決勝でもダントツの速さを見せて優勝を果たした。しかし、メルセデスAMGはモナコGP前にピレリと極秘のタイヤテストを行っており、これが国際法廷で裁かれることになった。

法廷での結果からも目を離せないが、メルセデスAMGが決勝でタイヤを使いこなせるようになったのかも注目だ。メルセデスAMGがモナコで見せた速さは、モナコ特有なものなのか。それとも、メルセデスAMGがタイヤの使い方を理解したのか。その答えは、カナダGPの決勝で見えてくる。

・優勝争いは?
今季ここまで強さを見せているレッドブルとフェラーリが今回も戦いの中心にいるだろう。そして、レースペース次第ではメルセデスAMGも優勝争いに加わってくる可能性が高い。メルセデスAMGはこれまでも予選でトップレベルの速さを見せていただけに、決勝でのペースも改善されていた場合、今後はメルセデスAMGが優勝争いの中心に来る可能性も考えられる。

また、これまで安定した強さを見せているロータスのキミ・ライコネンもあなどることはできない。チームメートのロメ・グロジャンについても、前戦モナコGPではクラッシュを連発し非難を浴びていることから、今回は落ち着いた走りをできるのか注目だ。

F1屈指の長いストレートで超高速バトルが繰り広げられるカナダGPは、7日(金)現地時間10時(日本時間23時)に開幕。決勝は、9日(日)現地時間14時(日本時間27時)にスタートする。

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