低迷の続くマクラーレンだが、チーム代表マーティン・ウィットマーシュは仕事を続ける決意だ。
F1第5戦スペインGPにあたっては、前戦から3週間あくことから、改良パッケージで不振から抜け出すことが期待されていたマクラーレンだが、予選でジェンソン・バトン(マクラーレン)は14位に沈んだ。
さらに悪いことに、ファクトリーからサーキットに急送された新しいフロントウイングが、デザインにルール違反の疑いがあるため、使えないことが判明した。
「ここに届いたが、ルールに沿うものかどうか確信が持てなかった」とウィットマーシュが明かした。
マクラーレンの危機的状況に、チーム代表の退陣もあり得るのではないかと見る者も出始めた。レースでの不振だけでなく、ドライバーのルイス・ハミルトン、前テクニカルディレクターのパディ・ロウがチームを離脱、タイトルスポンサーのボーダーフォンもF1撤退を決めている。
「現時点で、取締役会レベルで検討されているとは思わない」というウィットマーシュの言葉をイギリス各紙が報じている。
またウィットマーシュは、辞任も考えていないとして、次のように語っている。
「チームを信じているし、全力を尽くして現状を打破できると信じている。従って、チームを本来いるべき位置まで押し上げること以外は考えていない」
マクラーレンにとってスペインGP唯一の明るい話題は、セルジオ・ペレスが予選でトップ10に残れたことだ。これには、バトンも驚いている。
「明らかに、彼はすべてうまくやったんだね」とバトンはチームメートのペレスを称えた。
バトンは、2013年の選手権はあきらめて、来年に向けてより良いマシンを用意することに重点を移すべきだという考えは否定している。
「偉大なチームなんだ」というバトンのコメントを『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が伝えている。「パートナーやスポンサーも多い」
「今年何かを成し遂げられるなら、今シーズンを見限るのは間違いだろう」
「もちろん、2014年はいいシーズンにしたいよ。でも、1つのことに絞ってしまうのは、まだ早すぎる」
マクラーレンはスペインGP決勝で、バトンが8位、ペレスが9位に入り、2台そろってポイントを獲得しているものの、課題多く残されている。