トヨタは25日(木)、高度道路交通システムであるITS(インテリジェント・トランスポート・システム)技術を活用して交通事故低減を目指す「インフラ協調システム」開発の一環として、2013年5月から「信号情報活用運転支援システム」の公道走行実験を開始すると発表した。
インフラ協調システムとは、ドライバーから直接見ることのできない情報や管制情報を、道路に設置された通信インフラやほかの車両などから無線通信によって受信し、ドライバーに知らせることで、安全運転の支援や事故防止につなげることを目的としたシステム。今回の実験では、愛知県豊田市内の1路線を対象として、700MHz帯の電波により信号灯色情報を送信。車両側の実験用車載システムで受信し、音声や画面表示でドライバーに情報を提供するというもの。
実験実施にあたっては、警察庁、愛知県警察の協力を得て、連続した交差点の信号灯色情報を取得し、運転支援を行う。既に実証実験が行われている信号見落とし防止支援に加えて、早めにドライバーへ減速を促すことにより、交通事故低減に加え、CO2排出量の低減効果も期待されている。
トヨタでは、すでに2012年3月からITS向けに割り当てられた700MHz帯の電波を用いて、認知ミス防止のための右折時衝突防止支援システムに関する公道走行実験を行うなど、積極的にITS技術を用いたインフラ強調システム開発に取り組んできた。今回の公道走行実験を通じてさまざまな運転状況でのドライバーの運転行動データを分析し、事故低減効果およびCO2排出量の低減効果を明確化することにより、当該システムの開発に生かしていきたいとしている。