NEXT...F1開催スケジュール

トロ・ロッソ、チームオーダー禁止は「無意味」

2013年04月05日(金)9:44 am

F1第2戦マレーシアGPにおけるレッドブルの「マルチ21」騒動がチームオーダーをめぐる議論を再燃させているが、トロ・ロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストは、チームオーダーを再び禁止することは「無意味」との考えを明らかにした。

マレーシアGPの終盤、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)は走行順位を維持し、マーク・ウェバー(チームメート)の後ろにとどまるようチームから指示を受けていたにもかかわらず、それを無視してウェバーを追い抜き優勝した。

一方で、レッドブル2台の後ろでは、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグがそれぞれ3番手と4番手を走行中であった。前を行くハミルトンは燃料を節約しながらの走行を強いられており、なかなかペースが上がらない。たまりかねたロズベルグは、ハミルトンを追い抜いてもよいかと再三にわたってチームに打診したが、チームはそれを認めず順位を維持するよう指示した。ロズベルグは渋々チームの決定に従い、ハミルトンの後ろでフィニッシュしている。

チームオーダーをめぐる規則は、これまで何度か見直されてきた。2003年から2010年シーズンまで禁止されていたが、F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)の会長ジャン・トッドの意向で、2011年シーズンからチームオーダーを禁止するルールが再び撤廃されている。今回の「マルチ21」騒動により、ここに来て新たにチームオーダー禁止を求める動きが再燃している。

トストは『Speed Week(スピード・ウィーク)』に「私はチームオーダーがあまり好きではない。なぜなら、私たちがレースで本当に見たいのは、ドライバー同士の真剣なバトルや追い抜きだからだ」と述べている。

「それゆえに、トロ・ロッソでは(チームオーダーを)極力控えている」とも打ち明けた。

しかし、トロ・ロッソもチームの利益のためにチームオーダーを発令することがあるのかとの問いには「イエス」と答えており、マレーシアGPで物議をかもしたベッテルの振る舞いにより、「規律を守ることが、成功への第一条件」との認識が強まっていることに同調する。

さらに、「チームオーダーは、いつの時代も形はどうであれF1に存在してきた。禁止しても無意味だ」と語った。

良くも悪くも、マレーシアGPでウェバーを追い抜いたベッテルの行為は、パドック内の意見を二分した。ケーターハムの新人ドライバー、ギド・ヴァン・デル・ガルデは『De Telegraaf(テレグラフ)』紙に対し、セパンでの出来事は「いかにもベッテルらしい」と話し、これまで「多くのレースに勝ち、3度もF1世界王者に輝いた証拠でもある」と語った。

一方で、1997年のF1世界王者ジャック・ビルヌーブはそこまで寛容ではないようだ。ベッテルのウェバーとチーム双方に対する敬意の欠如がすっかり露呈された形になったとスペインのウェブ サイト『caranddriverthef1.com』に述べている。

「とんだ敬意の欠如だ。エンジンの回転数が落とされた状況下では、もはやレースではない」

「確かに、F1ではいかなる代償を払ってでも勝たなければいけない。でも、尊重すべきこともある」

「ベッテルはとても速いドライバーだ。でも、誠実さと敬意に欠ける。だから、私にとって、彼は偉大なチャンピオンでも偉大な人間でもない」とビルヌーブは加えた。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック