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メルセデスAMG首脳、チームオーダーの正当性を主張

2013年03月27日(水)9:49 am

24日(日)に行われたF1マレーシアGP決勝で見られたチームの指示でチームメート同士の順位を入れ替える、あるいは維持する「チームオーダー」が議論を呼んでいる。

レース中に4位を走っていたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)は、前を走るチームメートのルイス・ハミルトンのペースが自分より遅いと何度もチームに訴えていた。しかし、チーム代表のロス・ブラウンはロズベルグに対して順位を保つように指示したため、ハミルトンは3位で表彰台に上がり、ロズベルグは4位に甘んじる結果となった。

メルセデスAMGの共同オーナー兼ディレクターのトト・ヴォルフと、同じくチーム首脳のニキ・ラウダはこの判断に反対したことを認めていた。また、レース終了後には、ロズベルグが3位になるべきだったとハミルトンが発言した。さらにハミルトンのクルマが燃料不足に陥っていたこともあり、チームの指示を守って表彰台を逃したロズベルグとハミルトンの間に不和が生じるのではないかと言われている。

しかし、チームオーダーに反対したはずのヴォルフはこの見方を一蹴した。

『RTL』の報道によると、ヴォルフは「批判の多い決定だが、正しかった」と話しているという。

また、マレーシアGPで物議を醸すチームオーダーを発したのはメルセデスAMGだけではない。3位と4位を走っていたメルセデスAMGの前にいた2台、つまり1-2フィニッシュを果たしたレッドブルも、チームオーダーが難しい事態を引き起こしていた。

2位を走っていたディフェンディングチャンピオンのセバスチャン・ベッテルに対して、前を走るチームメートのマーク・ウェバーを抜かないようチームは指示した。しかし、ベッテルは指示を無視してウェバーを追い抜き、今季1勝目を手にしている。2位となったウェバーはベッテルに激怒し、チームからも叱責を受けたベッテルは公式にウェバーに謝罪している。

以前より不仲がうわさされていたベッテルとウェバーの関係は、今回のことで決定的に冷え込んだと言われるが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコはチーム内の状況はメルセデスAMGと全く違うと主張している。

マルコはメルセデスAMGのドライバーには明白な序列があるとの考えを語り、レッドブルはF1を3連覇中のベッテルとチャンピオン経験のないウェバーを同列に扱っていると暗に主張した。

この意見を、「くだらない」と真っ向から否定したのが、メルセデスAMGのハミルトンだとマルコは言う。

「明らかにレッドブルにはナンバー1ドライバーとナンバー2ドライバーがいる、前からずっとね」と話したハミルトン。ドライバー間に序列を設けているのはメルセデスAMGではなくレッドブルの方だと反撃した。

ハミルトンは自身の優位を否定したが、元マクラーレンのドライバーで現在は『Sky(スカイ)』のコメンテーターを務めるマーティン・ブランドルは疑問を投げ掛けている。ブランドルは、果たしてハミルトンが優位も約束されないチームへの移籍を決断するだろうか、とハミルトンが優位を得ていたマクラーレンを離れてメルセデスAMG加入を選んだ理由を推測した。

ハミルトンは「いつも言っているように、チーム(メルセデスAMG)と話を始めた当初から、僕は平等な扱いを希望していた」とブランドルの意見を一蹴し、マレーシアGPでのチームオーダーについてこう語っている。

「最後には、ロズベルグを先に行かせてほしいってロスに言ったんだ。だけど、ロスは“絶対にだめだ。私が君にやれと言ったら、君は言われたことをやるんだ”と答えたよ」

ロズベルグとベッテルの母国ドイツのモーターレース連盟トップのハンス・ヨアヒム・シュトックは、チームの指示を無視したベッテルよりも、指示を守って我慢の走りを続けたロズベルグを賞賛している。

「世界レベルのドライバーのお手本だった。ロズベルグはメルセデスに雇われているのだから、指示があれば従うものなのだ」と、『SID』通信にシュトックは語っている。

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