今シーズン開始早々、明らかな不調に陥っているマクラーレンだが、もしすぐにこの状態から抜け出すことができなければ、その責任はチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュが負うことになるだろう。かつてマクラーレンのドライバーであったデビッド・クルサードが指摘している。
今シーズンを迎えるにあたり、ルイス・ハミルトン(現メルセデスAMG)、さらにはテクニカルディレクターのパディ・ロウという2人の重要な人材を失っていたマクラーレン。開幕戦のF1オーストラリアGPでは全面的に作り変えてきた今季の新車MP4-28で明らかにてこずっていた。
これに関し、1996年から2004年まで9年間をマクラーレンで過ごしたクルサードは、『Telegraph(テレグラフ)』に寄せたコラムに、最終的にはチーム代表であるウィットマーシュが責任を取ることになるかもしれないと次のように書いている。
「チーム代表のマーティン・ウィットマーシュに重圧がのしかかっているという事実からは逃れられない。最終的には、船長がその船のかじ取りの責任を取ることになるものだ」
「F1というスポーツでは誰も責任逃れはできない。忠誠心や集中力が欠如していたり、あるいは一貫して結果を残すことができないようであれば、すぐに呼び出しを受けることになる」
「失敗は許されないんだ」
マクラーレンが今季マシンMP4-28をあきらめ、実績のある昨年型のクルマに戻すのではないかとの話も上っていたが、それは短期間の間に実現できるものではない。
ブラジルの『Totalrace(トータルレース)』は、「次のレース(マレーシアGP/24日決勝)に向けてワクワクしているかって? 間違いなく僕たちは速くないよ」というジェンソン・バトン(マクラーレン)の悲観的なコメントを掲載している。
また、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に、今後2012年型車が実戦に投入される可能性はあるかと尋ねられたウィットマーシュは、「純粋に技術的な視点からだけ見れば、それは可能だろう」と答えた。
バトンは、『Daily Mail(デイリー・メール)』に対し、「誰もがマーティンを尊敬しているよ。常に強くあることは難しいものさ。でも彼はものすごくいい仕事をしている」と、重圧を受けているウィットマーシュを擁護するコメントを行ったものの、次のように付け加えている。
「改善したいとは思うけど、道のりはまだ遠いんじゃないかと思うよ」