マルシャのシートを失ったルイス・ラジアだが、もうすぐ実現するはずだったF1ドライバーとしてデビューする夢が消え去ってしまったものの、そのことで夜眠れなくなるようなことはないと語った。
マルシャはいったんラジアとの契約を結んだことを正式に発表しており、ラジアもスペインのバルセロナで行われたシーズン前テストに参加する予定となっていた。だが、テスト直前になってラジアのスポンサーからの資金提供が行われず、結局ジュール・ビアンキにそのシートを奪われることとなってしまった。
ラジアは、地元ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』紙に「今夜もぐっすり眠れるよ。今回の件は状況的に仕方なかったと分かっているからね」
ラジアは、やはりブラジルの『Globo(グローボ)』とのインタビューの際には、笑顔で「Dream Killer(夢の壊し屋)」と書かれたTシャツを身に付け、皮肉をこめたユーモアのセンスを持ち合わせていることも示してみせながら、次のように説明している。
「ある会社を所有する2人の人間がマルシャとの契約にサインしていた」
「彼らは初回の支払いは行ったけれど、その後問題を抱えてしまったんだ」
ブラジル人記者のリビオ・オリッキオは、本来支払われるべきだった金額は600万ユーロ(約7億3千万円)にのぼるだろうとみている。ラジアはさらに次のように続けた。
「もちろん、僕にとってはつらかったよ。また気を取り直す必要がある。でも、僕は信念を持っている。そしてときどきこういうことが起こることで精神的にも強くなれるんだよ」
「これからミルトンキーンズにある自宅に戻って、妻と一緒に今後どうするか考えるよ」
ラジアは、F1レースでスターを目指す道が閉ざされたことについて次のように続けた。
「僕のほうに義務感やプロ意識が欠けていたということじゃなくて、運に恵まれていなかったんだ」
「ほかの誰と比べても、僕は頑張ったよ」