メルセデスAMG代表のロス・ブラウンによると、今季型マシンの手応えを感じるには時期尚早だという。
先週、ヘレス・サーキットで行われた合同F1テストで初めて走ったメルセデスAMGの新車W04。しかし、その4日間は決して平坦な道のりではなかった。元F1世界チャンピオンのミカ・ハッキネンなど、「必ずしも私が期待したほどの速さには到達していなかった」として、マシンに疑いの目を向けていた。
「今年は大した競争もできないんじゃない?」と、ハッキネンはイギリス『The Sun(サン)』紙に語っている。
似たような質問をドイツ『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』誌に投げかけられたブラウンは、W04の初印象を「良好だ」と、次のように話している。
「タイヤの性能低下には課題が残る。ただ問題はね、冬のヘレスは今イチつかみどころがないんだよ」
「数値を見る限り、見通しは明るい。ダウンフォースも風洞実験から得た予測の範囲内だし、マシンの挙動も同様だ」
W04の素性を正しく知るためには、19日(火)からバルセロナのカタルーニャ・サーキットで行われるテストまで待つべきだろうか? ブラウンの答えはこうだ。「もしかしたら、もっとかかるかも」
「バルセロナは寒いかもしれないしね。たぶん答えが出せるのは(開幕戦の)オーストラリアと(第2戦の)マレーシアあたりだろう」
今、メルセデスAMGの職場にはアルド・コスタ、ボブ・ベル、ジェフ・ウィリスといった明せきな頭脳が揃っている。しかしブラウンによると、彼らデザインチームは、既に2014年に専念し、次期マシンに取り組んでいるという。
「しばらく前にフェラーリは、チームをふたつに分割して、ひとつは2013年を、もうひとつは2014年を受け持っていることを明らかにしたよね。ウチもそうなんだ」
「それだけじゃない。いくつか出たコンセプトの提案から、もっとも有望なものを選び終えている」
「(2013年の開発プロジェクトから2014年への)移行はスムーズに行くだろう。日が変わっていきなりなんてことはないよ」
チーム代表の座が危ういといううわさが立っていたブラウン。チームの上層部はニキ・ラウダとトト・ヴォルフに取って代わった。時期を同じくして、彼らがマクラーレンのパディ・ロウ(テクニカル・ディレクター)にアプローチを送っていることも話題となった。しかし、自分の地位は安泰だとし、ブラウンはイギリス『Mirror(ミラー)』紙に次のように語っている。
「カタはついたよ。問題は何もない」