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ザウバー、衝撃的なサイドポッド形状を導入

2013年02月04日(月)20:13 pm

ザウバーは2月2日(土)に、2013年型として製造された新車「C32」を初披露したが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、このクルマにはうまい手が使われていると報じている。

【関連写真】ザウバーC32写真一覧

ザウバーの新車C32は、従来のクルマと比べてサイドポッドの幅が非常に小さくされたのが特長となっている。このクルマの設計にあたったザウバーのチーフデザイナーであるマット・モリスは、これについて、2011年にセルジオ・ペレス(現マクラーレン)がF1モナコGPのフリー走行で大きなクラッシュを起こした後、そのクルマをガレージに持ち帰ったときに、そのアイデアが浮かんだとしている。

記者のミハエル・シュミットは、C32のサイドスポットは、ザウバーの2012年型車に比べて、10から15センチメートルほど幅が狭められているとし、「もしこの仕掛けが機能することになれば、F1レースの戦いにも影響が出てくるだろう」と書いている。

これによる効果は明らかだ。空気抵抗を削減するとともに、クルマを地面へ押しつけるダウンフォースを発生させるディフューザーやリアウイングへスムーズに気流を導くことができる。さらに、気流の方向をもっとも効果を発揮する部分へと導くための余地が広がることが想定できる。

「われわれは、昨年の7月にこの考え方で行くことを決定していた。それによってシャシーやクラッシュ構造などへの影響が出てくるからね」とモリスは説明している。

だが、モリスによれば、もっとも苦心することになったのはクラッシュテスト(※)対策ではなかったという。ラジエーターや電子装置、ワイヤー・ハーネス、その他のパーツを、劇的に削減されたスペースに、どのようにうまく配置するかということだったと説明し、笑いを浮かべながら「まるで悪夢だったよ」と振り返った。

だが、この試みによって考えられるもっとも大きなアドバンテージは、もしこのザウバーの巧妙な工夫が功を奏し、ほかのチームよりも優位に立つことがあったとしても、ライバルチームたちはそれをすぐにコピーすることができないということだろう。そうするためには、ライバルチームたちは一からシャシーを作り直す必要が出てくるからだ。

一方、マクラーレンとは異なり、ザウバーではフェラーリが先駆を付けた新しい形状のプルロッド方式フロントサスペンションの導入は見送っている。

モリスはこれについて、次のように語った。

「多分空力的には有利になるだろうが、有利な面を生かし、メカニカル面での不利益を最小にとどめるためにはかなり複雑なプログラムが必要となるが、それはわれわれの能力を超えるものだ」

「これは、2014年型車のためのプロジェクトだ」と締めくくった。

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