ロバート・クビサは、当分のあいだF1に戻る意志がないことを明らかにした。
ロメ・グロジャンとの再契約をためらっているかに見えるロータス。11月末の2012年F1最終戦ブラジルGPでは、クビサに目をつけているのではとのうわさも立っていた。
才能を高く評価されているクビサだが、2010年以来F1から遠ざかっている。2011年シーズン開幕の数週間前、イタリアでラリー中に事故を起こして重傷を負ったためだ。
今は27歳になったクビサは、『Autoweek(オートウィーク)』にこう語っている。「じきF1に戻れたらいいなと思っていたが、そうはならなかったよ」
まずはレース感覚を取り戻そうと、小規模なラリーに出場し、力を尽くしてよく戦い抜いている。
ところが、事故で切断寸前までいった右腕の自由が効かず、今もフォーミュラカーに乗れない状態だという。
「まだ右手を動かすのがたいへんなんだよ」と、クビサは明かし、次のように続けている。「状況を改善しようといくつか手術を受けたが、目覚しい進歩は得られていない」
「もしまた右手を動かせるようになれば、(F1)復帰のチャンスもあるだろう。しかし、それまでは様子見だね。すぐにF1カムバックは無理だ」
ただ、サーキットでのレースに復帰したいようで、近い将来「ツーリングカーもしくは耐久レース」に進むかもしれないという。
「分からないけど、もうすぐ決めるよ」
さらに別の選択肢は世界ラリー選手権(WRC)だが、もし実現しても「上位争いをする」気はないようだ。
「今いろんな人と話をしている。すべては年末までに決まるよ」
もしラリーを選んだら、F1復帰はおそらく2015年まではないだろうと考えられる。
「WRCで一年を過ごしたのち、秋になったら2014年の計画がありませんでしたなんてイヤだからね」と、クビサ。
「仮にラリーを選んだら、長い目で物ごとを考えたいな。やっぱり、ちゃんとラリーの戦い方を学びたい」
「かつてF1でやったみせたことも、今となっては不可能だ。したがって新しい方向性を見出さないといけない。次なる自分のキャリアに向けて足を踏み出さないとね。それが何かは、いずれ分かるよ」とクビサは締めくくった。