先日発表された2013年のF1エントリーリストには、統括団体とチームが結ぶコンコルド協定に合意していないチームがひとつだけ含まれていた。2012年シーズンを年間11位で終え、コンコルド協定に基づいて年間ランキング10位までのチームに支払われる分配金を惜しくも逃したマルシャである。
コンコルド協定には、2010年からF1に新規参入した3チームに便宜を与える「第3項」が存在するが、F1の最高権威バーニー・エクレストンはこの項目の撤廃を望んでいる。マルシャ以外の新規参入組であるケーターハムとHRTを含めた11チームがコンコルド協定に合意していたことは、マルシャにとって悪い知らせだろう、とドイツのウェブサイト『motorsport-total.com 』が伝えている。
エクレストンが「第3項」による厚い待遇の撤廃を望む理由のひとつは、ケーターハムが2012年シーズン年間順位10位となって分配金を手にしたことだろう。
そして、HRTは現体制での2013年シーズン参戦がすでに絶望視されている。
したがって、マルシャは、エクレストンから新コンコルド協定の提示を受けていない唯一のチームになってしまったのだ。
マルシャのスポーティング・ディレクターを務めるグレアム・ロウドンは新コンコルド協定について「最後に聞いたときは、第1、第2、第3項は継続するという話だった。しかし、正直に言って、合意していなければ内容がわからないのも当たり前じゃないか?」と語り、こう続けた。
「今現在のわれわれに関して言えば、(コンコルド協定合意の有無は)なんの影響もない。来年もF1に参戦する。それは疑いようのない事実だ」
しかし、そもそもエクレストンはマルシャに新コンコルド協定を提示するつもりがあるのだろうか。
その疑問にロウドンではこう答えている。「私は知らない、バーニー次第だ。しかし、一方のチームに提示したものをほかのチームには提示しないなどということがあるのかな」
「FIA(世界自動車連盟)の、商業権を持つ人物に聞いてみるべきだね」とロウドンは締めくくった。