現在テレビでF1解説をしているドイツ出身の元F1ドライバー、クリスチャン・ダナーは、同じくドイツ出身のセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今週末行われるアメリカGP(決勝11月18日)で史上最年少となる3連覇を確定させることはないと予想している。
計算上、ベッテルが最終戦を残して世界チャンピオンになることは可能だ。しかし、レッドブルのライバルであるフェラーリのフェルナンド・アロンソの相対的な競争力を考えると、年間タイトルの決定は最終戦にもつれ込む可能性の方が高い。
ダナーは「実際のところ、オースティン(アメリカGPの開催地)で何があっても、(最終戦のある)サンパウロまで待ちたいよね」と『RTL』に語っている。
「もしオースティンでのレースがいつも通りで、ベッテルとアロンソが共に完走して多くのポイントを得る事になれば、そこで年間チャンピオンが決定する事はない。だから最終戦ブラジルGP(決勝11月25日)でのフィナーレを期待していいと思うんだ」
アロンソのフェラーリより速いクルマを駆り、10ポイントのリードがあるベッテルが優勝候補とされている。しかし、辛辣(しんらつ)な物言いで有名な1997年のF1王者ジャック・ビルヌーブは、アロンソを高く評価する。
「セブ(ベッテルの愛称)が速いのは間違いない」と『The Sun(サン)』に語るビルヌーブは、次のように続けた。
「でも不利な状況下に置かれた時、フェルナンドはベッテルと全く違う」
「アロンソは常に静かに、冷静に、そして論理的でいることができるんだ、それに比べてベッテルは大抵すぐ機嫌を悪くして、怒って、叫んだ末に中指を立てたりする。そんなのは、ガキのすることだよ」