BMWはこのほど、ブラジルに新たな生産工場を建設する計画があることを発表した。2014年の生産開始を目標としており、数年にわたる投資額は合計で2億ユーロ(約208億円)以上に上るとされている。計画では年間約3万台の生産能力を持つ工場となる見込みで、新たに1000人を超える雇用機会の創出が期待されているほか、この新工場誕生により、納入関連企業などでの新たな雇用機会増加も見込まれている。新工場の建設が予定されているサンタ・カタリナ州政府との間ではすでに工場建設に向けた交渉が開始されている。
BMWグループでは、現在14か国に29か所の生産及びアセンブリー施設を有しているが、このブラジル新工場の完成により、同社の生産ネットワークがさらに拡大されることになる。
BMWでは1995年にブラジル国内に販売会社を設立し、2010年からはマナウス地区にオートバイの生産工場を立ち上げているが、2011年度には2輪車の販売伸び率が55パーセントを記録し、5,400台以上の2輪車を販売。4輪車も2011年には15,214台がブラジル国内で販売されており、こちらの伸び率も54パーセントに達している。
BMWの販売及びマーケティング担当取締役のイアン・ロバートソンは今回の計画について次のように述べている。
「ブラジルはBMWグループにとって非常に大きな可能性を秘めた市場だ。このため、われわれはブラジルとの長期的なかかわりを強化することにしたものだ」
「今回の新工場建設により、われわれのヨーロッパ、アジア、そしてアメリカ大陸における販売のバランスを保つための必要条件が整えられることになり、それがわが社の長期的に成功につながってゆくことになる。この活動を通じて、BMWグループは、すでにアメリカ、中国、そしてインドで成功を収めてきたように、“市場に合わせた生産”という戦略的主義を展開してゆくことになる」