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F1第15戦日本GPレースレポート

2012年10月07日(日)17:12 pm

2012年F1第15戦日本GPが10月7日(日)、鈴鹿サーキット(1周/5.807km)で3日目を迎え、10万余の大観衆が見守るなか15時から行われた決勝で、セバスチャン・ベッテル(レッドブル)がスタートから終始安定した走りで今季3勝目を上げ、タイトル争いは、が然ヒートアップした。また、小林可夢偉(ザウバー)が自身初となる表彰台獲得を果たした。

【写真ギャラリー】可夢偉、3位表彰台でトロフィーを掲げる=F1日本GP決勝

レース開始時の天候は晴れ、気温23℃、路面温度は32℃。

第14戦シンガポールGP後にマシンの不調が見つかってギアボックスを交換したジェンソン・バトン(マクラーレン)、昨日のフリー走行3回目で事故を起こしリア部分を破損、やはりギアボックス交換を強いられたニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)の2人は、規定により5グリッド降格。それぞれ8番手と15番手からのスタートとなった。

さらに、昨日のQ1でブルーノ・セナ(ウィリアムズ)をブロックしたジャン・エリック・ベルニュ(トロ・ロッソ)は、ペナルティーとして本来の位置から3グリッド下げられ、19番手スタート。一方、Q3でフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)の進路を妨害した疑いで審査委員会に呼ばれたセバスチャン・ベッテル(レッドブル)は、戒告処分を受けている。

ピレリから供給されるドライ用タイヤは、ハード(プライム:ハード側)とソフト(オプション:ソフト側)の2種類。どちらのタイヤもレース中、必ず一回は使用しなければならない。

鈴鹿のDRSゾーン(可変リアウイングが使用可能な区間)はメインストレートの一カ所のみだ。

15時ちょうどにフォーメーションラップがスタート。タイヤは、ほぼ全車がソフトを装着。23番手スタートのミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)はハードを履いている。

シグナルが消えると小林可夢偉(ザウバー)が好ダッシュ、第1コーナーで2番手に浮上。ところが、そのすぐ後ろでキミ・ライコネン(ロータス)とフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が接触、第1コーナーから第2コーナーにかけて大混乱に。すぐさまセーフティカーが導入された。

アロンソはその場でリタイア。とばっちりを受けたニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)もS字手前でマシンを止める。フロントウイングを無くしたロメ・グロジャン(ロータス)とブルーノ・セナ(ウィリアムズ)はピットへ。やや遅れてマーク・ウェバー(レッドブル)も。グロジャンに追突されたもので、グロジャンはピットで10秒静止のペナルティーを受けている。

ウェバーはフロントウイング交換、さらにタイヤをソフトからハードに履き替え、最後尾で戦列に復帰した。

序盤のトップ10はベッテル、可夢偉、ジェンソン・バトン(マクラーレン)、フェリペ・マッサ(フェラーリ)、ライコネン、セルジオ・ペレス(ザウバー)、ルイス・ハミルトン(マクラーレン)、ヒュルケンベルグ、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)、ダニエル・リチャルド(トロ・ロッソ)。ベッテルは1分39秒台で安定走行。可夢偉も39秒台をキープするが、その差は7秒ある。

14周目、3番手バトンがピットイン、ソフトからハードへ。ライコネン、ヒュルケンベルグも。2番手可夢偉は1周遅れてピットへ。同じくソフトからハードへスイッチ。バトンの前でピットアウトしたが、すぐ前にはタイヤ交換を引き延ばしているリチャルドが。これを抜きあぐむ間、後方からはマッサが好ペースで可夢偉とバトンに迫っている。

17周目、ハミルトンとマルドナードがピットイン。

18周を終えるとベッテルとマッサが同時にピットへ。トップはベッテルのまま。マッサは可夢偉とバトンを陥れ、まんまと2番手をゲットした。可夢偉は3番手に後退だ。

1回目のピット作業を終了して上位はベッテル、マッサ、可夢偉、バトン、ライコネン、ハミルトン、ペレス、ヒュルケンベルグ、リチャルド、最後尾から追い上げたウェバーの順。

19周目、ヘアピンでハミルトンをアウト側から抜こうとしたペレスが痛いスピン。グラベルにマシンをとられ、リタイアだ。そのころ、バトンからピットに無線が入る。ギアシフトがおかしいというのだ。可夢偉との差は2.9秒ある。

53周のレースは半分の27周を終え、トップはベッテル。後方に10秒をつける独走状態だ。選手権トップのアロンソがリタイアしているだけに、このまま行けば大きく点差を縮められそう。

2番手は伏兵マッサ。安定した走りで3番手の可夢偉に6.8秒差をつけている。可夢偉の2.7秒後方で4番手を走るのはバトン。ギア・トラブルの不安は解消したらしく、少しずつ可夢偉を追い上げている。可夢偉はタイヤが苦しそうだ。5番手はライコネン、6番手ハミルトン、7番手ヒュルケンベルグ、8番手マルドナード、9番手リチャルド、10番手シューマッハ。

31周目にライコネンが2回目のストップ。ハードからハードへ。その翌周には可夢偉がピット、ハードからハードにスイッチしてバトンの後方、4番手で復帰した。同じくピットに入ったハミルトンは、ピットアウト時にライコネンと危うくニアミスしている。

36周目を終えて3番手バトンがピットへ。可夢偉にかわされ、再び4番手に下がった。37周目、2番手マッサがタイヤ交換。可夢偉とは23秒のマージンがあり、余裕で順位をキープ。38周を終了してベッテルが最後のピット。ハードからハードに履き替え、チェッカーに向けてまい進だ。

この時点でトップ10はベッテル、マッサ、可夢偉、バトン、ハミルトン、ライコネン、ヒュルケンベルグ、マルドナード、ウェバー、リチャルド。レース終盤の焦点は3番手可夢偉と4番手バトン。タイヤで有利なバトンがジリジリと追い上げている。46周目でその差は1.7秒。

可夢偉が47周目に自己ベストの1分36秒800をマーク。必死の逃げ切りだ。1秒以内に迫られると、バトンにDRSを使われてしまう。50周を終えて、その差は1.2秒。後方、10番手のリチャルドに追いかかるのは鈴鹿ラストランのシューマッハだ。その差はわずかコンマ3秒。

51周目、可夢偉1分36秒762、バトン1分36秒606でそれぞれ自己ベスト。結局ベッテルが53周の戦いを制してポール・トゥー・ウィンを飾り、3年連続ドライバータイトルをグイッと引き寄せた。

2位にマッサ。表彰台は実に2010年韓国GP以来。これで来季フェラーリのシート争いを有利なものにした。

3位はし烈なバトルを制した可夢偉。1990年日本GPの鈴木亜久里以来となる日本人による日本GPでの表彰台獲得となった。

4位はバトン、5位ハミルトン、6位にライコネン、7位ヒュルケンベルグ、8位マルドナード、9位ウェバー、10位はリチャルドが守りきった。

【結果】F1第15戦日本GP決勝、各ドライバーのタイム、タイム差など

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