マクラーレンのチーム代表であるマーティン・ウィットマーシュはただでさえ忙しい仕事を抱えているが、そこにまた新たな仕事が加えられることになりそうだ。その仕事とは、これまでずっとマクラーレンから温かく見守り続けられたにもかかわらず、今季限りでマクラーレンを離脱することを決めたルイス・ハミルトンを擁護するというものだ。
ウィットマーシュはハミルトンのメルセデスAMG移籍のニュースに触れながら、次のように語っている。
「間違いなく今後数日から数週間にかけてはいろんな雑音に悩まされそうだよ」
ウィットマーシュは、今後ハミルトンがマクラーレンで今シーズンのタイトルを獲得することに集中できるようにしていかなくてはならない。仮にハミルトンが今シーズンのチャンピオンとなった場合には、F1の世界では誰もが欲しがるカーナンバー「1」が2013年にはメルセデスAMGのクルマのノーズに記されることになるとしてもだ。
ウィットマーシュは今回の移籍報道の結果として、マクラーレンにとって重要な今季の残り6レースを戦うにあたって、ハミルトンの周囲に新たな雑音が聞かれることになるだろうと認め、次のように続けた。
「われわれとしてはハミルトンをそれから守ってやらなくてはならない」
「ハミルトンは私に対して、今シーズンが終わるまでは自分はマクラーレンに所属しているし、勝利のために全神経を集中すると確約してくれている。われわれとしても彼を守り、タイトルを達成するための環境を整備してゆくことになる」
さらにウィットマーシュは、タイトル争いをしているにもかかわらず、マクラーレンがすぐにハミルトンとの距離を置き、多くの改良パーツをチームメートのジェンソン・バトンのほうへ回そうとしたり、ハミルトンを会議から締め出したりするようなことはないと否定し、次のように続けている。
「ルイスはマクラーレンのドライバーだし、今年のクルマのために用意する開発部品は与えられるよ」
「ハミルトンは日本GPでもそうだし、その後のレースでも、どんな小さな開発部品も手にすることになる」
「その点に関して言えば、ハミルトンが来年のクルマの開発に携わることはないのは当然だが、サーキット現場でのクルマの開発には関与してゆくことになる」