なかなか決まらないルイス・ハミルトン(マクラーレン)の来季についてシンガポールGPでマスコミの集中砲火を浴びているチーム代表のマーティン・ウィットマーシュだが、それでも彼はポーカーフェースを貫く姿勢だ。
実際のところパドックでは、ハミルトンが2013年はメルセデスAMGに移籍寸前といった先走りの情報が飛び交っている。
しかしウィットマーシュは、長くつきまとう憶測に惑う様子もなく、次のように語っている。
「いやいや、別にうるさいと思ったことはないよ」
「多くの筋書きや推測が回りまわっているのは、私も承知している。しかたないよ、これもF1だからね。われわれとしては、ただ黙して仕事ができれば満足だ」
しかしながら、ハミルトンのメルセデスAMG移籍話を単なる”空想”とした最近のウィットマーシュを、F1の内幕を知るものやジャーナリストたちが誰も信じていないのは明らかだ。
ウィットマーシュ本人も21日(金)、”空想”といった言葉は一度も使っていないと次のように話している。
「憶えがないね。しかし、もし私がその時点でハミルトンが契約にサイン済みといったことを聞かされたら、その話こそが空想だろう」また、「彼は優れたドライバーだから」他チームのオファーを数々受け取ったに違いないとも話している。
そして、マクラーレンがハミルトンの代役をリストアップ中といったうわさも否定し続ける。
だが、金銭の話が憶測に一役買っていることはウィットマーシュも認めるところで、ハミルトンはギャラを”もっと”欲しがっているのに対し、マクラーレンが減額を望んでいるのは間違いない。
「それがビジネスというものだろ」と、ウィットマーシュは語る。
このようなウィットマーシュの物言いに記者団が黙って引き下がるはずもなく、あるジャーナリストは、ストレートに「そんな平静を装っても」ムダだと言い切った。
ウィットマーシュも負けてはいない。「いやいや、そんな問題じゃない。今われわれに問われているのは、自分たちの仕事に没頭できるかどうかなんだ。今年の選手権に集中させてくれよ」