出場停止のロメ・グロジャン(ロータス)に代わってモンツァで行われた前戦イタリアGPを走った控えドライバーのジェローム・ダンブロシオだが、今週末のシンガポールGP以降、残りレースの出番はなさそうだ。チーム代表エリック・ブーリエが明らかにした。
ベルギー人のダンブロシオは、ブーリエ自らマネジメントを担当している。第12戦ベルギーGP決勝でスタート直後に発生した多重事故の原因を作ったとして1戦出場停止の処分を下されたグロジャンは、モンツァのピットエリアでずっとレースの戦況を見つめていた。
一方ダンブロシオは、チームの公式リザーブ・ドライバー。2012年開幕当初は、何回か金曜日のフリー走行を走るだけとみられていた。
ところがシーズンのフタを開けてみれば、今季型マシンE20はすこぶる速く、エースのキミ・ライコネンが総合優勝争いに食い込んでいるほか、若手のグロジャンもあと一歩で優勝に手が届く走りをみせている。
イタリアGPではよくがんばったとダンブロシオをほめるブーリエだが、残りレースには乗せない方針だ。
「イタリアGP決勝でジェロームはスタート直後からKERS(運動エネルギー回生システム)に問題を抱えていた。超高速のモンツァでは致命的といってよいトラブルだ。ラップタイムでは約1秒に相当する」と、『Telegraph(テレグラフ)』に語るブーリエ。
「そんな中、彼は非常に良い仕事をした。私はとても満足だったよ」
そうであるなら、今後もせめて金曜日のフリー走行でダンブロシオを乗せるのが筋というものだ。
ところがブーリエは次のように続けた。
「必ずしも考慮には入れていないんだ」
「できることならダンブロシオを乗せてやりたいが、選手権争いが厳しい状況で、持てるチーム力をすべて投入して戦いたい。そうやって少しでもチャンスを物にしたいんだ」