ロバート・クビサはこのたび、「ラリーカーでこれ以上命を危険にさらすより、引退すべきだ」との報道に反論した。
2011年はじめにラリー中の事故で大ケガを負って競技生活から遠ざかっているクビサは、19カ月間に及ぶリハビリの末、先日イタリアで行われたラリーの大会で見事カムバックを果たした。
右腕が完全に稼働する状態ではないにもかかわらず、復帰戦で見事優勝したが、2戦目で再びクラッシュしてしまった。
幸いケガはなかったものの、影響力のあるイタリア紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』のコラムニストをはじめとする複数の専門家は、クビサに対してモータースポーツから退くよう促している。
クビサは、ポーランドのテレビ局『Polsat』に対し、「危険な運転をしていたわけではなかった」と主張した。
「道路が普段より汚れていただけだった。とりあえず、リハビリに戻るよ。今後の予定に関しては、そのうちはっきりするだろう」
ポーランドの情報筋によれば、クビサは近いうちにラリーへの出走をより積極的に行う予定であるという。
またクビサは、F1復帰は今のところ保留であることを認めた。
フランスのテレビ局『TF1』は、「今はフォーミュラカーではなく、ラリーカーを運転するので十分」とするクビサのコメントを伝えている。
今のところ、引退する気はさらさらないようだ。
イタリアの『Omnicorse(オムニコルセ)』とのインタビューの中で、「僕がサーキットでクルマを運転するにはまだ制約が多すぎる」と現状を語っていた。
「それに、僕が話しているフォーミュラカーは、F1のクルマだけを指しているわけではないよ」と話し、F1以外のカテゴリーでサーキット復帰を目指していることもにおわせた。
サーキット復帰にあたり、クリアすべき様々な制約をゆくゆくは乗り越えられるか問われ、「分からない」と認めている。
「少し運の力も借りないといけないと思う。すべては自分次第、というわけではない」との見解を示した。
「聞こえは悪いかもしれないけれど、最後まで望みは捨てない。信じることにお金はかからないんだし。まだ希望をもっているけど、僕には現実的な面もあることは確かさ」
「これからの道のりはまだまだ長いし、やるべきこともたくさんある。F1に復帰できなかったからって、完全に自分を見失ってしまうわけじゃないよ」と前向きに語った。