F1競技委員長を務めるFIA(F1を統括する国際自動車連盟)のチャーリー・ホワイティングが、7月29日に行われたハンガリーGPでミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)に対してドライブスルーペナルティーが科されたのは間違いだったと語った。
シューマッハはハンガリーGP決勝で、スタート前に誤って違うグリッドにクルマを停止させ、その際にエンジンも停止させてしまったことから、再スタート時にはピットレーンからレースをスタートすることになった。そしてレース再開に備えて急いでピットレーンへと戻ったのだが、このときにピットレーンでスピード違反を犯したとして、レース競技委員はシューマッハに対してレース中にドライブスルーペナルティーを与えていた。
しかし、このほどホワイティングがドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、このペナルティーは誤りであったことを認めるコメントを行っている。
シューマッハがスピード違反を犯したと指摘された時点では、まだレースは正式にスタートされておらず、シューマッハに対しては罰金を科すだけとすることが正しかった、とホワイティングはその記事の中で説明している。
だが、この話は、F1の規則においてレースのスタートをどのように定義しているのかということを説明するものでもある。
つまり、それが正しいレーススタートの定義であれば、シューマッハは今週末スパ・フランコルシャンで開催されるベルギーGPにおいて、節目となる300戦目を迎えるのではなく、実際には299戦目を迎えるに過ぎないことになる。
なぜならば、1996年にマニ-クールで開催されたフランスGPにおいて、当時フェラーリに在籍していたシューマッハはフォーメーションラップ中にエンジンが壊れてしまい、実際にはレースをスタートできていなかったからだ。