昨年までフォース・インディアに在籍したエイドリアン・スーティルが、小林可夢偉(ザウバー)のシートを奪う可能性があると報じられた。
フォース・インディア在籍中はもちろんのこと、その前身であるスパイカーやミッドランド時代を通じても、堅実で信頼性の高いドライバーとして定評のあったスーティル。しかし、今シーズンはシートを失った。
さらに、2011年4月に発生したロータスのオーナー企業ジェニイ・キャピタルのCEOであるエリック・ルクスに対する暴行事件により有罪判決まで受けてしまった。
現在はドイツのテレビ局『Sky(スカイ)』で解説者として活動しているスーティルであるが、2007年にスパイカーからデビューして以来、90レースを走り100ポイント近くを獲得したF1の世界に復帰するという野心を、決してあきらめてはいないようだ。
そしてそれを裏付けるかのように、マネジャーを務めるマンフレッド・ジマーマンとともに前戦ヨーロッパGPを訪れたスーティルは、フォース・インディアのガレージ内にいる姿さえ目撃されている。
スイス紙『Blick(ブリック)』によると、可夢偉との交代も十分に考えられるとのことである。
スペインのウェブサイト『Grand-Prix Actual』に対して、スーティルは次のように語った。
「今年もレースをしたいけれど、リラックスして、機会を待たないといけないね」
「いくつかのチームと接触を図って、話し合いを進めている最中なんだ。今のところは、復帰へと向けて全力を注いでいるよ。僕のためのシートがあると良いな」
そしてスーティルは、今年もリザーブドライバーの座であれば狙えたものの、「それは僕の望むものではなかったんだ」と付け加えた。
またドイツメディア『motorsport-magazin.com』に対しては、「復帰をする際には、今回の活動休止期間が僕に良い影響を及ぼし、また第2のキャリアにとって決定的な経験になったと言うだろうね」と語り、「レースをしたいのはやまやまだけれど、場合によっては、自らが置かれている状況から賢く学ぶ必要がある。復帰したときは、僕は間違いなくパワーアップしているよ」と続けた。
ちなみに2012年シーズンに関しては、「素晴らしい選手権であり、ウィリアムズやザウバーといったチームが表彰台争いを演じている姿を見られるのは非常に面白い」としている。