バレンシア市街地コースで24日(日)に開催されたヨーロッパGPは、F1へエンジンを供給している自動車メーカー、ルノーに大きな頭痛の種を与えるものとなった。
エンジンに設けられたオルタネーターという発電・整流部品の不具合により、トップを快走していたレッドブルのセバスチャン・ベッテルばかりでなく、終盤に2番手を走行していたロータスのロメ・グロジャンもリタイアに終わった。
当初、これらの故障は偶然のものだと見られていた。だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、2つのトラブルに共通性があったと報じている。
さらに、報じられているところによれば、ルノーはモナコGPでケーターハムのビタリー・ペトロフに発生した不具合も同じ原因によるものだったのではないかと考えているようだ。
この部品はルノーとイタリアの電装部品メーカーであるマニエッティ・マレリによって共同で製造されたものだとされている。
現在、レッドブル、ロータス、ウィリアムズ、ケーターハムの4チームにエンジンを供給するルノー・スポールF1で技術部門を率いているロブ・ホワイトは、「何が壊れたのかは分からないが、同じ原因によって発生したものだと考えている」と述べた。
さらにホワイトは、最初はオルタネーターのオーバーヒートが原因ではないかと考えられていたものの、モナコでペトロフに起こった不具合も同様のものだった可能性があることを考慮すると、原因は別の部分にある可能性も考えられるとコメントした。
ロータスのチームオーナーであるジェラルド・ロペスも同様の疑いを持っているようだ。ロペスは「熱が原因だと聞いたが、同じような気温条件のもとで何レースもやってきているし、それであればなぜキミ(ライコネン/ロータス)やマーク・ウェバー(レッドブル)に同じことが起こらなかったのかという疑問が残る」と語った。
ルノーは現在、F1における最重要パートナーであるレッドブルと緊密な連携をとりながら問題の解決に当たっている。今回、これが原因で優勝を逃すこととなったベッテルは次のようにコメントした。
「問題がある部分がそこだと分かったんだから、できる限り早くそれを解決する必要がある」