ミハエル・シューマッハかキミ・ライコネンが今季8人目の勝者に？
ミハエル・シューマッハ（メルセデスAMG）は、2012年F1第7戦カナダGPに優勝して今シーズン7人目の勝者となることはできなかったが、次戦ヨーロッパGPで8人目の勝者となるかもしれない。そう話すのは、メルセデスAMGのチーム代表を務めるロス・ブラウンだ。
7戦で7人の勝者が生まれた2012年シーズンだが、この流れは24日（日）にバレンシアの市街地サーキットで行われるヨーロッパGPでも続くかもしれないとブラウンは考えており、次のように語っている。
「われわれのクルマに乗るミハエル（が勝つ）かもしれないと考えているが、ロータスもいい状態にありながらまだ勝利していない。ザウバーも、ここまでいい結果を残している」
くじ引きで勝者が決まっているかのような今シーズンの大混戦は、ピレリタイヤのおかげ、あるいはピレリタイヤのせいだとされている。そのピレリのポール・ヘンベリーが8人目の勝者候補に挙げたのは誰であろうシューマッハだった。ヘンベリーは『Auto Motor und Sport（アウト・モートア・ウント・シュポルト）』誌にこう語っている。
「シューマッハは（バレンシアと同じ市街地サーキットで行われる）モナコGPで勝っていたかもしれないのだから、ヨーロッパで勝てない理由はない」
7冠王者のシューマッハのほかに、ヨーロッパGPの優勝候補と見られているのは、2007年のF1王者キミ・ライコネン（ロータス）だ。
ヨーロッパGPで勝利する可能性についてライコネンは「僕はまだバレンシアで勝ったことがないんだ。だから、いい目標だよね」と語り、ライコネンと同じくフィンランド出身のヘイキ・コバライネン（ケーターハム）もロータスの勝利を予見している。
「ロータスはいい状態にあるけれど、これまでのところは、うまくまとめきれていない印象を受ける」
「ロメ・グロジャン（ロータス）はいい走りをしているから、キミといいバトルを見せてくれると思うよ」とコバライネンはテレビ局『MTV3』に語った。
ロータスの前身ルノーからF1にデビューしたコバライネンはさらに、シューマッハが2012年シーズン中に勝利するかもしれないと話す。
「シューマッハは何度も速さを見せているけれど、クルマのトラブルに泣かされているね。6つか7つのトラブルに見舞われているんじゃないかな」
7戦を終えて2ポイントしか獲得していないシューマッハは、すでにチャンピオン争いから脱落していると見るのが普通だが、いまだに多くのドライバーがチャンピオン候補になっている。
第7戦終了時点で、ドライバーズランキングの首位に立つルイス・ハミルトンが所属するマクラーレンでスポーティング・ディレクターを務めるサム・マイケルは『Sky Sports（スカイ・スポーツ）』へ次のように語っている。
「安定した成績を残した者が選手権に勝つだろうね。シーズン中に1回か2回しか勝っていないドライバーがチャンピオンになる可能性だってある」
「今シーズンの選手権制覇に、5勝も6勝も必要ない」
マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュもマイケルと同意見だ。「ここ数年は大差がつく結果が注目されていたけれど、今年は、積み上げてきた小さなポイント差がタイトル争いでものを言う展開になるだろう」
