タイヤの性能の変化が「まるでくじ引きのようだ」と批判される最中、ピレリは硬めのタイヤをテストする準備をしている。
ピレリは、「レースを面白くするように」摩耗しやすいタイヤを提供するよう依頼された通りにしたところ、6レースに6人のドライバーが勝者となり、目的を果たすことができた。一方で、 F1を見せ物ではなくスポーツとしてみる純粋主義者たちは「運任せ」ではファンが離れてしまうとうめいている。これがピレリが直面するジレンマだ。
ドイツ紙『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、ピレリのモータースポーツディレクターのポール・ヘンベリーは「みんながわれわれのことを話題にしているのは、全くもって良いことだと思う。ただ、話題の“中心”ではなく、“一部”くらいがいいのだが」とコメントしたという。
ヘンベリーは、シーズンが進むにつれてドライバーとエンジニアがタイヤの性質を熟知することができるだろうと自信を持って語っている。
しかし、ピレリは摩耗による性能低下の低い、硬めのタイヤのテストを来月のイギリスGPのフリー走行中に行う事になっている。
それでも、硬くて長持ちするタイヤはF1から興奮を奪う、とヘンベリーは警告している。
「タイヤがいつまでも持つと、どんなレースになるか分かるだろ?」と、終始行列を作ったままのレースとなったモナコGPを引き合いにだして主張した。