今週末に開催される1年で最も華やかなグランプリであるモナコGPで、ブルーノ・セナ(ウィリアムズ)は3日間の全セッションで走行する予定だ。
このところ、グランプリ初日のフリー走行1回目では、セナに代わってウィリアムズの若手控えドライバーであるバルテリ・ボッタスがクルマに乗っていた。
フィンランド出身のボッタスは、ウィリアムズの株主であるトト・ヴォルフのマネジメントを受けており、またウィリアムズのクルマには、新たにフィンランド企業ウィフリとケンピのステッカーが輝いている。母国企業からの支援が増加したことにより、ボッタスが間もなく戦跡の振るわないセナに代わって、レースドライバーに昇格するのではないかとのうわさまで出てきた。
しかしヴォルフは、セナ交代のうわさを一蹴している。
そんな中、24日(木)から始まる今季第6戦モナコGPでは、1日目に行われるフリー走行1回目を含めたすべてのセッションでセナがステアリングを握ることが明らかになった。
セナがすべてのセッションでクルマに乗るのはモナコが初めてではなく、今季開幕戦が行われたオーストラリアのメルボルンでも、セナはシートをボッタスに譲ることはなかった。
一方のボッタスは、昨年末に母国フィンランドの新聞に対して、2012年の契約では「市街地サーキットを除く」すべてのグランプリ週末でフリー走行の作業を担当することになっていると明かしていた。
つまり、今後のグランプリでボッタスが作業を担当しないのはカナダGP、スペインのバレンシアで行われるヨーロッパGP、シンガポールGPの3回ということだ。
それでも、セナにはプレッシャーがかかっている。チームメートのパストール・マルドナードはスペインGPでポール・トゥー・ウィンを決め、チームに2004年以来の勝利をもたらした。
マルドナードがクルマの強さを見せた一方で、セナは予選Q2進出すら逃し、レースでもミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)と接触してリタイアを喫している。
状況はあまり良くないように思えるが、モナコGPに向けてセナは「以前、モナコでいい走りをしたんだ。今回もその流れが続いてくれて、しっかりポイントをとれるといいね」と話している。