2012年F1若手ドライバーテスト、いつどこで？
若手ドライバーテストの舞台をアブダビからイギリスに移す計画について、アブダビGP、そしてアブダビ若手テストの舞台であるヤス・マリーナ･サーキットの代表が批判的な発言をしている。
2012年の若手ドライバーテストは、シーズン終盤のアブダビGP（11月4日決勝）翌週に例年通りアブダビで行われる予定だ。
しかし、年間20戦を予定している今シーズンは終盤のスケジュールが特に過密になっており、アブダビGPの翌週に若手テストを行うとインドGP（10月28日決勝）から最終戦ブラジルGP（11月25日決勝）までの間、休みなくチームが稼動し続けることになる。
そのため、レッドブル系2チーム、すなわちレッドブル・レーシングとトロ・ロッソ以外のチームは、11月にアブダビで若手テストを行うよりも7月にイギリスGPの舞台であるシルバーストン･サーキットで若手テストを行う予定を立てていると報じられていた。
しかし、ロータスのチーム代表エリック・ブーリエは『The Nationa（ナショナル）』紙に対し、シルバーストンでの若手テスト実施案は「ナンセンスだ」と話している。
ヤス・マリーナの責任者リチャード･クレーガンもブーリエと同様の意見を述べた。
「もし有望な若手ドライバーなら、シーズンの途中でF1テストを受けるのは理想的な選択肢ではないね」
「若手ドライバーは、自分が参戦しているシリーズに集中するべきなんだ。F1の若手テストがシーズン終盤のアブダビで行われる理由は、若手ドライバー達が参戦するシリーズのほとんどが終わっている時期にテストができるからだ」
クレーガンはさらに、早い時期にシルバーストンで若手テストを行うと、チームはクルマの開発に時間を割いてしまうため、若手ドライバーの力量を真剣に見極められないだろうと警告を発している。
「（シーズン中）最初で最後の若手ドライバーテストなのだから、予定通りに行うべきだ」
「若手ドライバーにとって、F1のクルマを運転する初めてのチャンスになるのだろうし、チームにとってもドライバー自身の力を見極めるチャンスなんだ」
「クルマとパーツの開発は二の次であるべきだ」
また、7月のシルバーストンは天候不良の予報も出ている。チームがアブダビではなくシルバーストンでの若手テストを選択し、悪天候に見舞われたとしても、ひとたびクルマがピッﾄレーンを離れてしまえばテストの再実施は認められない。
ロータスのブーリエ代表はシルバーストンでの若手テスト実施を間違いだと考えていながら、大勢に従う考えを明かしている。
「しかし、実はシルバーストンで雨が降ればいいと思っている。そうすれば、当初の予定に立ち返ることができるからね」
チーム側から不満の声が出ていても、アブダビは若手テストを歓迎している。
「われわれはこれまでと同じスケジュールに従って動いている。何も変わりはない」とクレーガンはコメントした。
