メルセデス・ベンツ、新型「SLK 55 AMG」発売 F1の技術も採用

2012年05月10日(木)23:46 pm

メルセデス・ベンツ日本が9日(水)、2シーターオープンカー「SLKクラス」のハイパフォーマンスモデル「SLK 55 AMG」を発売。価格は1,090万円で納車は6月ごろから開始する予定だ。

新型SLK 55 AMGは、新開発の5.5リッターV型8気筒直噴エンジンを搭載し、従来モデルに比べ最高出力を約17%、最大トルクを約6%向上させた。また、気筒休止システムやECOスタートストップ機能等の最新テクノロジーを採用し、燃費性能を従来モデルより70%以上向上させている。

新開発5.5リッターV型8気筒直噴エンジンは、AMGシリンダーマネジメント(気筒休止システム)、ECOスタートストップ機能を備え、最高出力310kW(422PS)、最大トルク540Nmを発生させると同時にJC08モード燃費11.2km/Lを達成。0~100km/h加速4.6秒、最高速度250km/h(リミッター作動)という動力性能を実現している。

このエンジンに組み合わされるAMGスピードシフトPLUS 7G-TRONICは、3つの走行プログラムモードを備え、シフトダウン時の自動ブリッピング機能を備え、高負荷でのシフトアップ時に点火および燃料噴射を制御し、シフトタイムを短縮した。

エグゾーストフラップを備えたAMGスポーツエグゾーストシステムにより、スポーツ走行時には「エモーショナルなサウンドとクルージング時の心地よいサウンドを両立」したとメルセデスはアピールしている。

このほか、ダイレクトステアリングシステムとトルクベクトリングブレーキ、AMGスポーツサスペンションの採用により、俊敏なハンドリングを実現。オプションのAMGハンドリングパッケージでは専用AMGスポーツサスペンション、リミテッド・スリップ・デフ等により運動性能を一層向上できる。

 新型SLK 55 AMGの特長
AMG専用デザインによるエクステリア
新型SLK 55 AMGのエクステリアはSLKの基本フォルムを踏まえながら、各部にAMG独自のスタイリングを加えた。フロントにはAMG専用ラジエターグリル(ハイグロスブラック&クロームルーバー)、AMG専用フロントバンパー、AMG LEDドライビングライトを備え、力強い雰囲気を演出。
さらに3つのフィンを備えたブラックディフューザー、AMGスポーツエグゾーストシステム(デュアルツインクロームエグゾーストエンド)、ダークティンテッドテールライトがスポーティーかつ精悍なリアデザインを形成。また、AMGトランクリッドスポイラーリップは、リアビューを引き締めるだけでなく、リアアクスルに働く揚力を抑えることで高速安定性を高める。
インテリア
インテリアはジェット機を連想させるエアコン吹き出し口、ブラッシュドアルミニウムインテリアトリムを採用、またダッシュボード中央にはIWCデザインによるAMG専用アナログ時計を備え、洗練された室内空間を作り出した。上部と下部をフラットにしたAMGパフォーマンスステアリングやスポーツドライビング時にもしっかりと身体をホールドするAMGスポーツシートには高品質のナッパレザーを採用している。
新型自然吸気8気筒エンジン
新型M 152エンジンは、5.5リッターV8ツインターボエンジン(M 157)をベースに開発したもので、排気量(5,461cc)やボア×ストローク(98.0×90.5mm)、ECOスタートストップ機能、ガソリン直噴など多くの共通点を備える一方で、インテーク・ダクトやシリンダーヘッドを新設計するとともに、バルブ駆動、オイル供給システム、クランクケースには様々な改良を加えている。
先進技術の独自な組み合せ
高性能M 152エンジンは、さまざまな先進技術を独自の形で融合させたもので、スプレーガイド式燃焼システムとピエゾインジェクター(噴射圧力200バール)を組み合せたガソリン直噴ユニットになった。さらに気筒休止システムや100%アルミニウムクランクケース(ダミーヘッドホーニング加工)、4バルブデザイン(連続カムシャフト・タイミング・アジャスタ付き)、高い圧縮比(12.4)、ECOスタートストップ機能、オルタネータマネジメントを備えている。
AMGシリンダーマネジメント(気筒休止システム)
燃焼効率の大幅改善を実現したのが、新開発のAMGシリンダーマネジメント(気筒休止システム)。パーシャルロードで2、3、5、8番シリンダーを停止し、燃費を大幅に低減するシステムで、同様のシステムは、モータースポーツの最高峰、F1のV8エンジン(最高出力約750hp)にも採用されている。F1においても重要な要因となる効率を高めるため、低速コーナリング時やセーフティカー出動時、ピットストップ時などに、8本のシリンダーのうち2本または4本を停止するものだ。

シリンダーカットオフ機能は、 “C” モード走行の場合に 800~3,600rpmの広い回転域で動作。シリンダーカットオフのON/OFFや動作中のシリンダー数(4気筒または8気筒)は、インストルメンタルパネルのAMGメインメニューに表示される。なお、4気筒モードにおいても最大トルクは230Nmと、ほとんどのシーンですぐれた加速を確保するのに十分なレベルとなっている。より大きなパワーが必要となり、パーシャルロード域から出た場合は、2 、3、5、8番シリンダーが起動。この4気筒モードから8気筒モードへの切り替えは瞬時に行われ、エンジン回転数3,600rpmの場合、切り替えに要する時間はわずか30ミリ秒。

バルブを閉じ、燃料供給と点火を停止
AMGシリンダーマネジメントシステムにおいては、シリンダーヘッド内の油圧式バルブラッシュアジャスター16個と複雑なオイル供給システムが高度に連動。このラッシュアジャスターはシリンダーヘッドに内蔵されており、シリンダーカットオフ時に、シリンダー2、3、5、8番の吸気バルブと排気バルブを閉じた状態に保つ。また、同時に燃料供給と点火も停止される。これにより停止した4本のシリンダーの負荷変化による損失を低減するとともに、残りのシリンダーの効率を高めている。これは、動作点がより高い負荷域に移ることによるものだ。ラッシュアジャスターは小型軽量で、正確なバルブトレイン動作と最大7,200rpmのエンジン回転数を実現している。
シリテック・シリンダーライナーを備えた100%アルミニウムクランクケース
クランクケースは100%アルミニウムダイカスト製で徹底的な軽量構造の追求によりエンジン重量を187kg(乾燥重量)まで軽量化。フリクション低減のためにピストンリングにはカーボンコーティングを施すとともに、摩耗特性も最適化している。また、シリテック・シリンダーライナーを採用することで、ピストンが運動する際の摩擦を低減した。
4バルブデザインに連続カムシャフト・アジャスタを搭載
各シリンダーには大型の吸排気バルブ4個を備え、燃焼室の充填効率を高めた。高い熱負荷を受ける排気バルブは中空構造とし、ナトリウム冷却を採用。4本のオーバーヘッドカムシャフトにより、メンテナンスをあまり必要としない低摩擦カムフォロアーを介して計32個のバルブを制御する。吸気側と排気側での40°の範囲にわたる連続カムシャフト・タイミング・アジャスタは、エンジン負荷とエンジン回転数に応じて行われ、高い出力とトルクを導き出しているほか、低回転時の安定したアイドリングも実現している。また、エンジン回転数に応じてバルブオーバーラップを変化させ、燃焼室への混合気供給を最適化するとともに、燃焼済みのガスを効率的に排出する。
ECOスタートストップ機能を標準装備
低燃費の実現に貢献するためECOスタートストップ機能も採用。トランスミッションの“C”モード時に赤信号などで停車するとエンジンを自動的に停止。ブレーキを離すか、アクセルを踏むとただちに再始動するため、速やかに発進することができる。エンジンスタートにおいては、高度なテクノロジーにより快適ですばやい動作を実現。まず、回転方向を検出するクランクシャフトセンサーで、停止時の8本のピストンの位置を認識しておき、そしてエンジンスタート時には、ピストンの位置が最も有利なシリンダーの燃焼室に燃料を噴射する。なお、エンジンスタートは常時8気筒モードで行われる。
ECOスタートストップ機能の作動中は、AMGメインメニューに“ECO”マークが表示される。シリンダーシャットオフの動作中は“ECO4”、8気筒モードでは“ECO8”となります。“C”以外の“S”(スポーツ)と“M”(マニュアル)の2つのドライビングモードでは、よりパフォーマンスを重視しており、スタートストップ機能はつねにOFFとなる。なお、“C”モードでも手動で動作を停止することができる。
オルタネータマネジメントで燃費低減に貢献
さらなる燃費低減対策としてオルタネータマネジメントを採用し、エンジンブレーキ使用時やブレーキング中に運動エネルギーを熱として放出させず、電気に変換してバッテリーに蓄える。また、車載ネットワークとオルタネータマネジメントの組み合せにより、オルタネータの電圧を低く抑えることで、エンジンにかかる負荷を軽減。これによる燃費節約量はNEDC基準で約0.15リッター/100km、エンジンブレーキやブレーキングが頻繁に必要となる市街地では最大0.2リッター/100kmとなる。
エグゾーストフラップを内蔵した新型AMGスポーツエグゾーストシステム
SLK 55 AMGでは、両側にエグゾーストフラップを搭載した新型AMGスポーツエグゾーストシステムをAMGとして初めて採用し、スポーティーなドライビングにふさわしいエモーショナルなサウンドと、パーシャルロードで求められる控えめな音を両立させる。
このシステムは2個のリアサイレンサーそれぞれにフラップを設け、アクセルペダルの踏み込み量やエンジン回転数に応じて、ロジック制御により可変的に動作する。低負荷およびエンジン回転数2,000rpm以下では、フラップは閉じたままで、排出ガスの経路を長くし、追加した減衰部を通過させる。その結果排気音が快適に感じられる音量まで小さくなるとともに、不快な周波数の音が効果的に抑制される。そのやわらかなサウンドは、とくにシリンダーシャットオフが動作する4気筒モードで顕著に感じられる。
加速時には、フラップが15°、30°、最大 50°まで開き、排出ガスの一部は長い経路を通して音量を抑え、残りは短い経路を通る。これにより、響きのよいエンジンサウンドが発生。さらに、8気筒モードでエンジン回転数が高いフルロードの場合は、両側のフラップを完全に開くことで、V8エンジンならではのパワフルなサウンドを発生させる。
AMGスピードシフトPLUS 7G-TRONIC
トランスミッションは、コントロールエフィシェンシー(C)、スポーツ(S)、マニュアル(M)の3つの走行プログラムモードを備えたAMGスピードシフトPLUS 7G-TRONICを採用。シフトダウン時の自動ブリッピング機能、フルロードでのシフトアップ時に瞬時に行われる点火および燃料噴射の停止によってシフト時間が短縮される。また、遠心振り子式のトーションダンパーを採用することで、4気筒モード時に発生する振動を最小限に抑えるとともに、快適性を改善している。
ダイナミックなドライビングを提供するシャーシ
優れた減衰力特性を持つショックアブソーバーを採用したAMGスポーツサスペンションは、コーナリング時の車両安定性を高めるトルクベクトリングブレーキと舵角に応じてギア比を変化させるダイレクトステアリングを組み合わせることですぐれた運動特性と俊敏なハンドリングを実現している。
AMG専用の3ステージESPRは、センターコンソールのESPRボタンにより、"ESPR ON"、"ESPR SPORT"、"ESPR OFF"の3つのモードを切り替えることができる。ブレーキはドリルドベンチレーテッドディスク(前360×36㎜、後330×22mm)を搭載したAMG強化ブレーキシステムを採用し、ペダル操作に対する優れたレスポンスと強大な制動力、高い耐フェード性を実現している。
運動性能をいっそう高めるAMGハンドリングパッケージをオプション設定
SLK 55 AMGには、スポーツ性をいちだんと高めるAMGハンドリングパッケージをオプション設定。ハードなチューニングが施されたAMGスポーツサスペンション、コーナリング性能を高めるリミテッド・スリップ・デフ等が採用され、インテリアにはグリップにアルカンターラをあしらったAMGパフォーマンスステアリングやAMGカーボンインテリアトリムにより上質感がいっそう高められている。

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