22日(日)のバーレーンGP決勝で、2番手を走行中のロメ・グロジャン(ロータス)がチームメートのキミ・ライコネンに迫られ、数周にわたりライコネンを抑えて走行するシーンがあったが、ロータスはチームオーダーに否定的だ。
2007年のワールドチャンピオンであるライコネンは、グロジャンの後ろで数周を走った後に彼を追い抜いて2位に浮上し、トップを走るセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を追い抜くチャンスをものにできず、2位に終わった。
ライコネンがグロジャンに追いついてすぐにチームオーダーを発し、グロジャンがライコネンを先行させていれば、ライコネンがベッテルを追い抜くチャンスがもっとあったのではないかとも言われている。
それについてライコネンはこう話している。「そうだね。でも、チームオーダーはなかったし、ルールはわかっているよ」
「できるだけ早く(グロジャンを)追い抜こうとしたけれど、よく似た2台のクルマ同士で追い抜きを仕掛けるのは簡単じゃないんだ」
「“もしあの時こうしていれば”って、あとから言うのは簡単だよ。でも、結局、僕たちには勝つだけの速さがなかったのだし、2位に甘んじなくちゃいけないんだ」
今のF1では、ルール上チームオーダーは許されているが、ロータスのチーム代表エリック・ブーリエはチームオーダーに否定的な姿勢を示している。
「われわれはチームオーダーを出すつもりはない。普通にレースをして、何が起ころうとその事実を受け止める」
また、スペインでF1解説者となっている元ベテランF1エンジニアのホアン・ヴィラデルプラット氏が、かつてルノーと呼ばれていたこのチームは今も勝ち方を知っていると話していることも興味深い。
「ロータスはグリッド上で最高のクルマを持っているわけではない。マクラーレンとレッドブル、メルセデスAMGのクルマのほうがいいだろう。しかし、ロータスが作り上げたクルマは、状況さえ合えば、より良いクルマに勝つだけの力を秘めている」と、ヴィラデルプラット氏が『El Pais(エル・パイス)』紙に語っている。