メルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者ノルベルト・ハウグは、メルセデスAMGが少ない予算と短い期間でF1の頂点に達する事ができ、誇りに思っていると述べた。
メルセデス・ベンツという大手メーカーが保有する、いわゆるワークスチームである事から、メルセデスAMGはフェラーリやマクラーレンといった名門チームと同じように見られがちだが、ハウグはメルセデスAMGが「少ない予算で戦う、小さなチームだ」と主張している。
ハウグは上海で行われた中国GPで、チーム部門のトロフィーを受け取るために表彰台に上がった。そして、「ライバルたちは初勝利に5年かかった」と述べたが、疑うべくもなくレッドブルを意識しての発言だろう。
「われわれは2年と4ヶ月でやってのけた、悪くない記録じゃないか。まだ勝った事がないチームだっているんだ」とテレビ局『RTL』に語っている。
ハウグは以前、チャンピオンになるにはまだ数シーズンかかると言明していたが、メルセデスAMGは今年の世界チャンピオン候補になったのだろうか? ハウグは『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にこう答えている。
「予想をするにはまだ早い、チャンピオン候補であってほしいとは思うが、この3レースで3人も勝者がいたんだから」
その3人の勝者で一番新しいのが、82年のF1チャンピオン、ケケ・ロズベルグを父に持つニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)だ。ロズベルグのほかに2世ドライバーでグランプリ勝利経験があるのは、デーモン・ヒル、ジャック・ビルヌーブの2人。そしてヒルとビルヌーブはともに年間チャンピオンにもなっていることから、ロズベルグにも当然タイトル獲得の期待がかかる。
ロズベルグのウィリアムズでの元チームメート、アレキサンダー・ブルツはロズベルグを高く評価している。
「(2007年に)チームメートだった時、彼がすごく予選に強いから、僕は苦労したもんさ。レースでは大丈夫だったけどね。でも今回の勝利は称賛に値するよ、ポールポジションを取った後もすべて素晴らしい走りだったからね」とオーストリアのテレビ局『ORF(ORF)』に語った。
しかし、次回のバーレーンGPでは、また別の勝者が現れるかもしれないと3度のチャンピオンに輝いた名ドライバー、ニキ・ラウダはコメントしている。
「こんなに面白いF1はいまだかつて見た事がないよ。毎レースで勝者が違うんだから」