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メルセデスAMG、Fダクトは簡単にコピーできない

2012年04月07日(土)11:02 am

メルセデスAMGのFダクトは簡単にコピーできないという報道について、チーム代表のロス・ブラウンがこれを認めた。

レッドブルとフェラーリは、ザウバーの巧みな排気処理をすぐにコピーしたものの、メルセデスAMGのFダクトについては非難の声を上げている。

これは、ルールに違反していると本気で思っているからなのか、それとも単にコピーするのが難しいからなのだろうか。

Fダクトとは2010年に流行したシステムで、クルマに設けられた小さな穴から空気を取り込み、それをリアウイングに吹き付けることによってリアウイングの空力効果を弱め、主に直線区間の速度を上げるための技術だった。そのFダクトは2011年シーズンから使用が禁止されている。

だが、メルセデスAMGは現行のDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)のルールを利用し、2012年仕様車W03の後部から取り込んだ空気が車体前部に向かうよう空気の流れを変えることで、フロントウイングに対してもFダクトと類似した効果を得ていると見られている。このコンセプトによって、直線区間の最高速度だけではなく、クルマの操作性能も大幅に向上するようだ。

レッドブルの最高技術責任者、エイドリアン・ニューイが、「メルセデスAMGの空力(F)ダクトに関しては、後ろから前へ空気を送るという点で、(システムを取り入れるためには)プロジェクト全体を見直す必要がある」と語ったとブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタド・ジ・サンパウロ)』紙が報じた。

ブラウンもコピーが難しいことを認めた。「これほど激しく反対意見が出ているのは、取り入れるのが難しいという認識があるからだ」

だがブラウンは、コストについてのライバルチームの主張に関しては否定し、メルセデスAMGのシステムは主にカーボンファイバーの配管からなり、コストも数千ポンド(数十万円)にすぎないと主張している。

「非常にシンプルで安上がりなシステムだ。だが、元々組み込んであるマシンでない場合、取り入れるのはそう簡単ではない」

「反対勢力の不満の中心にあるのはこの点だ。もし簡単にマシンに取り入れられるものだったら、このような議論も起きていなかったと断言できる」とブラウンは語った。

F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)は、このFダクト問題に関して一貫して容認する姿勢を取っているが、今週になって、ロータスの技術責任者ジェームス・アリソンが、新しい問題点を2つ見つけ、それを来週の中国GP(15日決勝)でFIAのF1技術部門責任者であるチャーリー・ホワイティングに伝えることが明らかになっている。

ブラウンは、「誰かが違う見解を取るようなことがあったら、もちろんひどく失望するだろう」と話したものの、「FIAはかなり一貫した態度を取ってきているから、それを貫いてくれるものと信じている」と自信をのぞかせた。

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