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メルセデスAMG、Fダクトの合法性認定も勝負の一部と主張

2012年03月30日(金)13:03 pm

メルセデス・ベンツのモータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグが、今年のマクラーレンのクルマに設けられた排気システムについて疑問を抱いていることを認めたことで、彼の周囲で“Fダクト”についての議論が巻き起こっている。

レッドブル、ロータス、フェラーリなどを中心とするいくつかのチームは、メルセデスAMGの2012年型車であるW03の空力構造に対して大きな不満の声を上げていた。すなわち、ドライバーの動作によって作動するFダクトのようなシステムは完全に禁止されているはずだ、というものだ。

メルセデスAMGはそれに対し、W03の新しいFダクトは完全に受動的なものであり、それはドライバーによって操作されるのではなく、リアウイングに設けられたDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)を作動させることによって初めて有効となるものだと反論している。

これまでのところ、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)は、メルセデスAMGの主張を認め、そのシステムは合法なものだとしている。しかし、メルセデスAMGはDRSの使用がかなり制限される決勝レースでは苦しんでいることから、DRSの利用が制限されていない予選でのみ、Fダクトのおかげでパフォーマンスを発揮できているのではないかとの見方もでてきている。

ハウグはこれについて、『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように述べている。

「われわれは決勝レースで速さを見せられるようになるまで、耐えなくてはならない。だが、われわれのクルマが良くないというのは間違っているよ。われわれは何も取りつくろう必要のない真面目なチームだ。われわれは冬のテストで良い準備をしてきている」

メルセデスAMGのチーム代表であるロス・ブラウンも最近、Fダクトに関する騒動は、他のライバルチームたちがブロウン・ディフューザー(※)禁止に対応して取り入れた新たな排気システムに話が及ぶことをけん制するために起こされたものではないかと疑っていると語った。

ハウグもこれに同意し、例えば現在チャンピオンシップ(チーム別)のリーダーとなっているマクラーレンの排気システムは、“多分ブロウン・ディフューザーが禁止されたときに(FIAが)考えていたようなものではないだろう”としたものの、メルセデスAMGとしては“賢い”チームであるマクラーレンに抗議を行うと脅そうとしているのではない、と次のように続けている。

「われわれがFIAに明確化を求めるのは極めて正当な行為だ。さもなければ、われわれはトリックを見落とすかもしれないからね。これも勝負の一部なんだ」

(※)ブロウン・ディフューザーとはエンジンからの排気を直接F1カー後方に設けられたディフューザーという空力パーツに当てることで、低速域でもクルマを路面に押し付けるダウンフォースを増すことを目的としたシステムのこと。レッドブルが2010年にこれを導入し好成績を収めたことから各チームがそれを模倣したが、2011年限りで禁止されている。

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