バルセロナのカタルーニャ・サーキットで21日(火)から24日(金)にかけて2回目のシーズン前テストが行われた。ここで、今年初めて全4種類のドライタイヤがテストされたが、ピレリはデグラデーションと呼ばれるタイヤパフォーマンスの変化度合いに満足しているようだ。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。
2012年2月24日、バルセロナ
今年初めて、F1の各チームは、ピレリの全種類の2012年型スリックタイヤ(P Zeroシルバー・ハード、P Zeroホワイト・ミディアム、P Zeroイエロー・ソフト、P Zeroレッド・スーパーソフト)をバルセロナで試しました。
ドライバーによる総ラップ数は3697周、距離に換算すると17,207kmになります。
今年2回目のテストにおいて、大半のチームは、熟知したサーキット上での2012年型マシンと全種類のピレリタイヤの相互作用を検証し、マシンの開発カーブを加速しました。多くのドライバーは、全種類のピレリタイヤを使用してレースシミュレーションを行いました。特に、開幕3戦で選択されているミディアムタイヤ(オーストラリアと中国ではソフトタイヤと、マレーシアではハードタイヤとの組み合わせ)を使用して、 多くの作業が行われました。
スペインGPの開催地であるカタロニア・サーキットでの4日間のテストは、午前中、かなり低い気温に見舞われたため、各チームは、適正データの大量取得が難しい状況でした。午後は、タイヤの作動領域に適した暖かいコンディションとなり、ピレリと各チームは、いくつかの有益なデータを取得し、タイヤの動作を確認することができました。雨は降らなかったため、Cinturatoグリーン・インターミディエイトとCinturatoブルー・フルウェットタイヤのテスト機会はありませんでした。
ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリー
「極めて生産的な4日間でした。気温にも恵まれ、特に午後は、シーズン中よりも適したコンディションでした。各チームは、ヘレスでは14,949kmの走行でしたが、今回は17,207kmを走行しました。これによって、各チームは、全4種類のスリックタイヤの大量のデータを収集することができました」
「したがって、われわれは、開幕戦における戦略のオプションとクロスオーバー・ポイントに関連したシナリオに幅を持たせるための分析を行うことができます。予想通り、大半のチームはミディアムタイヤ中心の作業を選択し、どちらかというと、タイヤの評価よりも空力セットアップ作業に重点を置いていたようです。しかし、われわれは大量の作業を成し遂げましたし、ここまでのデグラデーションレベルと性能に満足しています」
「そして、来週、バルセロナでの最終テストに臨みます。各チームの相対的性能のより詳細な全容については、次のテストを待たなければなりませんが、われわれとしては目標通りに進んでいます」
テストで見られたこと:
* ピレリのスリックタイヤで最も硬いハードタイヤと最も柔らかいスーパーソフトタイヤが、バルセロナでともに最速タイムを記録
* 現世界王者、レッドブルのセバスチャン・ベッテルは、1日目、P Zeroシルバー・ハードタイヤで1分23秒265の最速タイムを記録
* 3日目のトップは、P Zeroレッド・スーパーソフトで1分22秒391を記録したウィリアムズのパストール・マルドナード
* 4日目のトップは、P Zeroイエロー・ソフトで1分22秒312を記録したザウバーの小林可夢偉。これは4日間を通じての最速タイム
* バルセロナで最多ラップを走行したのは、243周(距離に換算すると1131km)を走行した小林可夢偉
* バルセロナにおける昨年の決勝の最速タイムは1分26秒727、ポールタイムは1分20秒981。
新型マシンで多くの要素がテストされている段階のため、まだ確固たる結論の時期ではない
テストで見られた数値:
* バルセロナに持ち込まれたタイヤ総数:367 セット(1468 本)
- スーパーソフトタイヤ:34 セット
- ソフトタイヤ:82 セット
- ミディアムタイヤ:110 セット
- ハードタイヤ:69 セット
- インターミディエイトタイヤ:36 セット
- フルウェットタイヤ:36 セット
* 使用タイヤ総数:257 セット
- スーパーソフトタイヤ:16 セット
- ソフトタイヤ:81 セット
- ミディアムタイヤ:95 セット
- ハードタイヤ:65 セット
- インターミディエイトタイヤ:0 セット
- フルウェットタイヤ:0 セット
* 最長走行
ハードタイヤ:22 周
ミディアムタイヤ:20 周
ソフトタイヤ:24 周
スーパーソフトタイヤ:10 周
* 4 日間を通じた最高/最低気温
22℃/5℃
* 4 日間を通じた最高/最低路面温度
31℃/7℃
タイヤサマリー(トップ3 タイムと使用タイヤ):
Day 1
1. ベッテル 1 分23 秒265 ハード
2. ヒュルケンベルグ 1 分23 秒440 ミディアム
3. ハミルトン 1 分23 秒590 ソフト
Day 2
1. ヒュルケンベルグ 1 分22 秒608 スーパーソフト
2. ペレス 1 分22 秒648 スーパーソフト
3. ベッテル 1 分22 秒891 ソフト
Day 3
1. マルドナード 1 分22 秒391 スーパーソフト
2. シューマッハ 1 分23 秒384 ソフト
3. 小林 1 分23 秒582 ソフト
Day 4
1. 小林 1 分22 秒312 ソフト
2. マルドナード 1 分22 秒561 スーパーソフト
3. ディ・レスタ 1 分23 秒119 スーパーソフト
タイヤはすべて新品を使用