F1でアクセルを踏んでいない時にディフューザーへ排気を流す技術を禁止するルールに抜け穴が存在したことから、統括団体FIA(国際自動車連盟)が規則を変更してこれに対応する。『Autosport(オートスポーツ)』が報じた。
昨年のF1では、車体後部にある空力パーツ、ディフューザーへ高温の排気を流し、ディフューザーの効率を向上させる技術が話題になった。また、多くのチームがアクセルを踏んでいない時にも排気を流す「オフスロットル・ブローイング」と呼ばれる技術を開発していたが、こういった技術は今年から禁止になる。
今年からは、排気口の位置や角度などが細かく規定されたほか、エンジンの点火タイミングや燃料の噴射量などを決めるエンジンマップにも厳しい制限をかけて、オフスロットル・ブローイングを禁止した。
しかし、あるチームからの指摘により、このエンジンマップの規則に抜け穴が存在すると発覚。この抜け穴を利用すると、点火を失敗するミスファイアを故意に起こすことで、許可されている以上のスロットル開度を実現し、排気として流れるガス量を増加できる可能性があるとのことだ。
これを受けてFIAは、エンジンを制御するECUのアップデートを決定。現在のF1では、全チームが共通のECUを使うよう規定されており、アップデート版のECUは開幕戦までに用意されるという。