アメリカのインディカー・シリーズで、インディ500で2度勝利を飾り、4度のシリーズチャンピオンに輝いた実績を持つスコットランド人ドライバーのダリオ・フランキッティが、F1で走ることがなかったことを後悔していない、と語っている。
ハリウッド女優のアシュレイ・ジャッドを妻にもつフランキッティは、フォース・インディアの期待の若手ポール・ディ・レスタのいとこでもある。ITC国際ツーリングカー選手権を経て1997年にアメリカに渡り、CARTシリーズに参戦したフランキッティは、2年目から頭角を現し、98年にはシリーズ3位、翌99年にはシリーズ2位となる活躍をみせた。
当時、F1ではかつてインディカーのトップドライバーであり、フランキッティと戦ったこともあったボビー・レイホールがジャガー・チームの代表を務めており、フランキッティは、レイホールの誘いを受けて2001年と2002年にF1でテストを行ったことがある。しかし、フランキッティはF1へのチャレンジではなく、アメリカに残るという選択をして、その後インディカー・シリーズでトップドライバーとしての地位を確立している。
先週、フランキッティはF1シーズン前テストが行われたヘレス・サーキットにディ・レスタを訪ねていた。このとき『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に、2000年代初頭にジャガーから誘いを受けたことがあったものの、F1に転身しなかったことを後悔していないか、と尋ねられたフランキッティは次のように答えた。
「こうしておけばよかった、ああしておけばよかった、と思いながら生きていくこともできる。どこかの時点でF1でレースをしていたら素晴らしいことだったかもしれない。でも、チャンスがあったときに僕はそれを選択しなかった。アメリカでのチャンスに比べて、そちら(F1)のほうが良いとは思えなかったんだ」
「僕は自分が決めたことをやってきた。2度インディ500で勝利し、4度チャンピオンに輝いたことをうれしく思っている。だからF1に行っておけばよかったなんて思わないよ」とフランキッティは締めくくった。