エイドリアン・ニューイQ＆A レッドブルRB8発表会 その2
Q：そして2011年はマーク（ウェバー／レッドブル）にとって厳しいシーズンとなり、指摘する点もあるかと思います。新車RB8でマークは、去年のRB7よりもうまくいくと思いますか？
ニューイ：去年のマークには一貫性が欠けていた。2010年は彼にとって素晴らしいシーズンだったが、いろんな意味でツキに見放されてしまい、シーズン終盤でチャンピオンの座を逃してしまった。
ニューイ：2011年の序盤はピレリタイヤを使いこなすのに少々苦労していたようだった。新しいタイヤに順応するまでに少し時間が掛かってしまったんだ。しかし、充実した冬を過ごしたらしく、肉体的には素晴らしいほどに完成している。彼は新しいシーズンの幕開けを心から楽しみにしているし、私としても彼が今年の台風の目になれることを期待している。
Q：どんなことが、このチームと共に歩んで行こうという気持ちにさせているのですか？ まだ発展中のチームだからですか？
ニューイ：このチームはまだ比較的若い。とても短い時間だったが、長い道のりでもあった。そして過去2、3シーズン、われわれは素晴らしい成功を収めることができたが、まれにこのチームの“若さ”を露呈してしまうことがある。確かに現在でもたまにミスが出てしまうことがある。
ニューイ：優雅に湖を漂う白鳥も水面下では必死に水を蹴（け）っているように、われわれも表面化では絶え間ない学習を続けている。しかし、われわれは若いチームだが大いなる勇気と強靱（きょうじん）な決意を持っている。つまりわれわれは常に学んでいるし、自分たちに厳しく接し、どのようにして発展していけるかを試みているということだ。
Q：最初のテストにはどのようにして臨みますか？ 内なる自信を秘めているのでしょうか、あるいはほかのチームが持ち込むものに脅威を感じているのでしょうか？
ニューイ：みんな新車が走りもしないうちから今年の目標は何かと尋ねてくるが、私の答えはいつでも決まっている。先のことは何も分からない。われわれは自分たちが冬の間にどのようにして新車を造り上げて来たかに関しては知っているが、よそのチームが何をしているかなんて全くもって分からない。ルールが変わり、新たな規制ができたから昨年の最後とはずいぶんと異なる内容になるだろうね。
Q：私たちの進化の具合はほかのチームと比べて同等、それ以上、またはそれ以下？
ニューイ：それを知るのは不可能だ。シーズン前のテストを始める前や、テストそのものからは勢力図を読み取ることはとても難しいので、そこにはいつも不安が付きまとう。もしわれわれがライバルチームたちと比べて絶望的なほど競争力がなかったら、それはさすがに分かるだろう。もし、われわれを含む2、3チームが同等のパフォーマンスだったら、その中でどこが実際に速いのかを見極めるのは困難だ。だから、メルボルン（開幕戦オーストラリアGP開催地）の予選になるまでは本当の実力差は分からないだろうね。
Q：最後にOBE（大英帝国勲章）を受賞した感想をお願いします。
ニューイ：女王からOBE受賞者に選ばれて光栄の至りだ。特に技術職でこの栄誉を頂けたことを心から誇りに思っている。イギリスの技術者たちは見過ごされているように思うことが多々ある。われわれの誇りはビクトリア時代の工業発展や技術工学に基づいているのだから、その現状は残念でならない。
ニューイ：私はこの勲章を頂けたことに本当に誇りを感じているし、私を選んでくださった皆さんにも心からお礼申し上げたい。私は信じられないくらい充実したキャリアを過ごしている。喜びを与えられるエンジニアとして選ばれたのだから。
