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エイドリアン・ニューイQ&A レッドブルRB8発表会 その1

2012年02月08日(水)0:05 am

6日(月)に2012年型車RB8を発表したレッドブルで、チーフテクニカルオフィサーとして技術部門を率いるエイドリアン・ニューイが、新車や新シーズンについて語った。

Q:過去数シーズンにわたってレッドブルは大成功を収めてきました。あなたが技術部門の責任者を引き続き務めることになりますが、過去数シーズンでの成功は仕事へのプレッシャーを増やしましたか、それとも減らしましたか?

ニューイ:過去数シーズンはとても良かったし、大成功だったと言える。今現在のこの地位に登り詰めるまでの道のりは、本当に信じられないような旅だったよ。今年の新車RB8はRB5の進化版の第4弾と言える。だから今年もタイトル獲得に向けて挑戦をすることと、それを防衛することがプレッシャーになってくる。

ニューイ:それは簡単な仕事ではない。今年から排気口の取り付け位置が規制されることになって、せっかく開発した排気系を利用した技術が使えなくなってしまった。その分野に関してはまだ発展の余地が残されていたし、われわれは過去2シーズンにわたってほかのライバルチームよりも有効に使いこなし、そこからアドバンテージを生み出していた。

ニューイ:この失われた部分の克服が、この冬の大きな課題だった。われわれがこの規制による影響をほかのチームよりも受けるかを予測することは、当然難しい。去年のRB7は排気系の位置を中心にデザインされたが、おそらくそのようなアプローチを採ったチームはわれわれだけだっただろうね。そのため、ほかのチームと比べてわれわれが失ってしまったものは大きいかもしれない。じきにその答えは出る。実際にコースでいくらかテストをしたら、われわれの位置も分かってくるだろう。

Q:チャレンジ精神よりもフラストレーションの方が多かったですか?

ニューイ:今回の排気系をめぐるルール規制は、正直少々イラっとするよ。なぜなら、それらはまさに"規制"そのものでしかなく、開発に向けての新しいチャンスや見返りを与えてくれたりしない。ただ新たな可能性へのドアを閉ざすだけだ。ルールの変更は受け入れるが、ルールによる規制は残念だよ。

Q:ブロウンエキゾーストの使用が禁止されたRB8にはどのような対策を施しましたか?

ニューイ:さっきも言ったように、RB7は排気系を中心にデザインしたマシンだった。だが今年は昨年のような位置に排気系を取り付けることができないと知って、われわれは昨年や一昨年のマシンのような、車体側面部に排気口を設けたマシンを参考にしてどのようにして開発を進めるべきかを考えなければならなかった。

ニューイ:そしてわれわれが採用していた設計思想は、RB7の排気系にのみ有効なものだった。だから、再びそれを検証する必要に迫られた。おそらく、カギのひとつを握っているのはリアの車高だろう。昨年までの排気系だったらリアの車高が高くても問題なかったが、あの排気系じゃないと車高の高さを保つことがかなり難しくなってくる。そのため、われわれはリアの車高が低いクルマの開発を行う必要があった。

Q:ほかの目立った変更点と言えばノーズの高さです。それによっての困難はありましたか?

ニューイ:ノーズの高さの規制についてだが、ノーズの先端、つまり取り付け部分の高さについての制限だからシャシーの型そのものにはそれほど影響はない。われわれのシャシーの型は以前と同じだ。しかし、ノーズ先端部の高さを変えなければならなくなり、これによって若干マシンの美しさが損なわれたが、これは他のどのチームも一緒のことだ。なるべく美しいスタイルに仕上げようとはしているが、マシンを美しく仕上げるルール上の義務はないからね。

Q:新車のRB8は昨年型のマシンRB7の進化系ですか? それとも多方面にわたって考えを変更しなければなりませんでしたか?

ニューイ:RB8は、2009年にデビューさせたRB7から発展させた第4弾のマシンであると言える。だから、この新車はRB8の子孫のようなものだよ。

Q:ルールによる規制をただ単純に嫌っていますか? それともそれによってデザインへの創作意欲がかき立てられますか?

ニューイ:私がキャリアを通じてこれだけの成功を収められたことは幸運だ。色んな人が頻繁に私の引退時期について質問をしてくるが、私はこの仕事を楽しんでいる限り続けていく。これが答えだ。技術面での挑戦が私をいまだに虜(とりこ)にしているんだ。

ニューイ:われわれはかなりのハイペースで仕事をしている。なので2週間ごとに仕事の成果を試されているようなもので、それがうまくいっていれば素晴らしいことだが、そうなければとても悔しい思いをする。つまり、少なくともその時々に自分が置かれている立場を知ることができるし、自分が手掛けた製品をあっという間に目にするもできる。

ニューイ:だから、私は同僚たちとの仕事を楽しんでいる。ここ(レッドブルのファクトリーがある)ミルトンキーズで働いている親愛なるエンジニアたちや、サーキットで活躍してくれるドライバーたち、それにたくさんの関係者たちからも自分の仕事に対して迅速な反応がある。これが私にこの仕事に対してのやる気を奮い立たせているんだ。

Q:セバスチャン(ベッテル/レッドブル)はこれまでよりもさらに進化したように見えます。彼にはどんなことを期待しますか?

ニューイ:われわれは素晴らしいドライバーラインアップに恵まれている。セバスチャンは昨シーズンを通じて大きく成長し、ご存じの通り今となってはF1を連覇したドライバーだ。2010年、彼は素晴らしいシーズンを過ごし、最終戦でチャンピオンに輝くのにふさわしいあふれんばかりの才能を見せつけた。

ニューイ:あの年はまだ彼も若く、荒れた1年になった。だが、ものすごく強い意志と自分が犯した失敗から学ぶ能力を秘めていて、いつも腕を磨こうとしていた。その成果が去年のドライビングに結びついたのだろう。去年の彼はごくまれにしかミスをすることがなかったし、必要な時に応じて攻守のスイッチをうまく切り替えていた。本当に驚くべき成長ぶりを見せてくれたし、この成長が止まるとは思えない。

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