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マクラーレンMP4-27技術解説

2012年02月02日(木)1:57 am

マクラーレンが1日(水)に2012年型車MP4-27を発表。テクニカルディレクターのパディ・ロウとエンジニアリングディレクターのティム・ゴスが、新車に関する質問に答えた。

Q:2011年をうまく終えていましたが、MP4-27を開発するにあたって最大の目標は何でしたか?

ロウ:われわれの2012年シーズンに向けた目標はブロウンフロアの変更にもかかわらず、ダウンフォースを最適な状態にすることだった。そしてそれによって、去年から使い始めたピレリタイヤに対する理解や利用方法を改善することだ。

ゴス:見ただけじゃわからないだろうが、このクルマにはたくさんの変更点がある。しかしながら、今年は昨年を踏襲したルールが多かったので、大きくレギュレーションが変わるときシーズンの合間に人材配置の見直しなどによって起こる、予測不能な部分は少なくなっている。

ロウ:毎年、われわれはじっくりと腰を落ち着け、レースで勝てるクルマを設計したいと思っている。昨年は最初の時点で、一番速いクルマを持ってはいなかった。しかし、われわれは可能な限り速いクルマを造るために、できることはなんでもやっている。

Q:2011年と2012年のクルマで、主要な外観の違いは何でしょうか?

ゴス:もっとも顕著な変化は、われわれが去年どこよりも最初に採用したU字型のサイドポッドをやめたことだと思う。今シーズンに向けて、より一般的なサイドポッド形状に立ち戻らせたんだ。なぜならU字型は新しい排気口の配置制限にあまりうまく合わなかったからね。2012年に排気管は、U字の溝になっている部分に沿って配置されなくてはならない。だから、その形状(U字型サイドポッド)を利用することはできなかった。

Q:2012年の新しいレギュレーションに合わせるにあたって、何か特に大変だったことは?

ゴス:排気に関するレギュレーションはとても厳密だった。排気による空力への影響を最小限にするため、排気システムはクルマ後部のとても狭いスペースの中に納めなくてはならない。そして、排気管の最後の100ミリメートルを円筒形する必要がある。

ゴス:つまりもう楕円(だえん)形や平らなものにはできないんだ。そして垂直方向にも水平方向にも一定の角度できちんと設置されなくてはならない。10度から30度の間で上向きにね。それは排気口をフロアから離せということなんだ。

ロウ:もっとも満足のゆく挑戦となったのは、ピレリタイヤに関する知識を深められたことだね。今年はピレリタイヤでの2シーズン目になる。2011年は学ぶための年だったよ。改善されたタイヤの利用方法にのっとって、クルマのレイアウトや、空力、車両力学を設計するために過去12カ月で得た経験を利用したよ。

Q:排気の制限が、クルマの設計に与えた波及効果はありましたか?

ゴス:そう、車体後部の空気の流れに影響を与えたね。過去何年か、排気管はフロアの後方の角に直接出ていたが、もうその形はとれない。だから、ご想像のとおり、クルマ後部の空気の流れは特性が変わったよ。波及効果としては、クルマの後部の空力部品をすべて設計し直さなくてはならなかったことだね。

Q:この冬の間に何人かが技術チームから去りましたが、それは大丈夫でしたか?

ロウ:いつも言っていることだが、ボーダフォン・マクラーレン・メルセデスはとても巨大な組織なんだ。ここでは200人もの技術者が働いていることを心にとめてみてくれないか。そして、もし彼らが皆10年間その仕事にとどまれば、毎年20人が辞めていくことになる。

ロウ:実際、そんなにたくさん辞めていないけどね。去っていく人のことを取りざたするのは簡単だが、それと同じ人数がまたわれわれに加わっている。さらに、われわれは若くて聡明(そうめい)な新人を連れてきて、彼らがこのビジネスでうまくやれるよう手助けをすることに誇りを持っているよ。

ロウ:やむを得ず、どこかの時点で、彼らのうち何人かが巣立ちをしてわれわれと争う立場になることもある。これは避けられないことなんだ。しかし、われわれは素晴らしく献身的な個人が集まったとても強いグループを持っている。そしてわれわれがMP4-27を完成させるために行った仕事に誇りを持っているよ。

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