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「低報酬」でロータス加入を申し出ていたエイドリアン・スーティル

2012年01月31日(火)21:59 pm

エイドリアン・スーティル(元フォース・インディア)が、ロータス(旧ロータス・ルノーGP)に対し、低報酬で2012年のドライバーを務めると申し出ていたことが30日(月)に明らかとなった。

30日(月)からミュンヘン裁判所で、スーティルが昨年4月にロータスのオーナー企業ジェニイ・キャピタルの取締役であるエリック・ルクスに対して行ったとされる傷害容疑裁判が始まった。裁判は2日間の予定となっている。

『T-Online』が報じるところによると、スーティルとマネージャーはこれまで示談に向けてさまざまな提案し、その中にはルクスが行なっているアフリカへの慈善事業への寄付なども含まれていたという。

さらに、「低報酬」でロータスのドライバーになるという提案も行なっていたと付け加えて報じている。

スーティルによって、割れたシャンパングラスで首に9センチメートルに及ぶ傷を負わされたとするルクスは、最近、スーティルが2012年にロータスのドライバーになるのではないかという憶測を「冗談だろう」とはねつけていた。

審理は31日(火)に終わることになっているが、『SID』通信社は、スーティルとルクスの弁護団が30日(月)の審理の最後に内々に話し合いをしていたと伝え、土壇場で示談が成立する可能性があると示唆している。

『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、もし土壇場で和解を行う場合には、検察官のニコル・セルザムの承認を得なければならないと伝えている。

また、その記事ではこれまで伝えられることのなかった事件の詳細が明らかになっている。上海のナイトクラブでスーティルがルクスに対し、「僕がF1ドライバーだってことを知らないのか?」と言ったことに対し、ルクスが「私がF1チームのオーナーだということを知らないのか?」と言い返したことなどが含まれている。

上海のナイトクラブ店内に設けられていたビデオカメラには、ルクスが近づく前に、今回証人としての出廷を拒否したルイス・ハミルトン(マクラーレン)とともにソファーに座っているスーティルの姿がとらえられている。

スーティルは身振り手振りを交えながら、ルクスの首に向かって「軽く突いた」と答えたという。しかし医師は、ルクスの傷は「中程度の力」による行為によって負わされたものだと証言している。

2008年のF1チャンピオンであり、その事件の場に居合わせたハミルトンは、裁判所に対して記述による陳述書を提出しているが、そこには、その小競り合いについて詳しいことを思い出せない、と記されているという。

しかし、元ヴァージン(現マルシャ)のドライバーであり、今年はロータスのリザーブドライバーを務めることが決定しているジェローム・ダンブロシオは今回の裁判に出廷し、グラスが割れる音を聞いたと証言している。

また、スーティルの証言によって、ルクスが数千万ユーロに及ぶ賠償金の支払いと、昨年のシーズン中盤に複数のレースへの出場辞退をスーティルに対して要求していたことも明らかとなった。

スーティルの弁護士は、ルクスに対し、それはジェニイ・キャピタルがマネージメントを担当しているドライバーのひとりをフォース・インディアで走らせる機会とするためだったと詰め寄ったが、ルクスは次のように反論したという。

「私はそんなことは一瞬たりとも考えたことはない」

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