17日(火)にウィリアムズがブルーノ・セナの加入を発表したことは、エイドリアン・スーティルのF1での将来に危険信号をともすものだった。
2011年シーズンいっぱいでフォース・インディアのシートを失い、危機的状況に立たされたスーティル。ルーベンス・バリチェロの後任としてウィリアムズ入りすることを目指していた。
しかし、ウィリアムズはバリチェロの代わりにブルーノ・セナを起用する決断を下したため、2012年はエイドリアン・スーティルにとって「過渡期の」年になるとスーティルのマネジャーを務めるマンフレッド・ジマーマンが語っている。
「ウィリアムズとの交渉は12月中旬に決裂していた。双方が異なる意見を持っていたためだ」とジマーマンは話しているが、契約期間について両者の意見が対立していたようだ。
しかも、スーティルにとっては運の悪いことに、個人スポンサーであるメディオンが、契約金額を値下げしてきた。
ウィリアムズのチーフ・オペレーション・エンジニアであるマーク・ジランは「ドライバーひとりひとりについては話したくない」とコメント。さらにこう続けた
「エイドリアンはわれわれの計画の中にあったが、交渉のテーブルに出たすべての条件をかんがみて、ブルーノが最良の選択であると考えた」
ジマーマンはまた、次のようにも話している。
「2012年もわれわれはF1にいるだろう。長い目で見れば、今年はわれわれにとって過渡期となるはずだ」
「今のところは1月30日、31日に予定されている公判に集中していく」
ジマーマンが言及した公判とは、昨年4月にスーティルがロータスのチームオーナー、エリック・ルクスを暴行した事件の審理のことだ。
17日(火)に発表されたセナのウィリアムズ加入について、『DPA通信』が「驚きはない」とのジマーマンの言葉を伝えている。
「われわれとウィリアムズの交渉は数週間前に決裂していた」
今後はどうするのか、との問いにジマーマンは「サプライズがあろうとなかろうと、プランBに移行するだけだ」とはにかんだ様子を見せながら答えている。