F1オフィシャルタイヤサプライヤーのピレリは2019年で9シーズン目となる。
●【ピレリ】“F1タイヤ”を装着!モンブランとコラボしたスーツケースをF1中国GPで発表
C1からC5の5種類のコンパウンドの中から、各グランプリ毎に3種類をピレリが指定する。
Rd | グランプリ | C1 | C2 | C3 | C4 | C5 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | オーストラリアGP | |||||
2 | バーレーンGP | |||||
3 | 中国GP | |||||
4 | アゼルバイジャンGP | |||||
5 | スペインGP | |||||
6 | モナコGP | |||||
7 | カナダGP | |||||
8 | フランスGP | |||||
9 | オーストリアGP | |||||
10 | イギリスGP | |||||
11 | ドイツGP | |||||
12 | ハンガリーGP | |||||
13 | ベルギーGP | |||||
14 | イタリアGP | |||||
15 | シンガポールGP | |||||
16 | ロシアGP | |||||
17 | 日本GP | |||||
18 | メキシコGP | |||||
19 | アメリカGP | |||||
20 | ブラジルGP | |||||
21 | アブダビGP | |||||
Rd | グランプリ | C1 | C2 | C3 | C4 | C5 |
各チームは、1グランプリごとに使える「各車13セット」のタイヤの中から、「各車10セットを自由に選択」できる。
この13セットの内3セットは、「予選用ソフトタイヤ(レッド)1セット」、「決勝レース用としてハードとミディアム各1セットの計2セット」が指定されている。
タイヤの選択期限は、ヨーロッパ戦の場合はレースの8週間前、ヨーロッパ外の場合はレースの14週間前となっている。
予選Q3に進んだ10台は、予選Q3用のソフトタイヤ(レッド)1セットを使用しなければならず、予選Q3で使用後にピレリへ返却する。予選11番手以下は返却せずにレースに使用できる。
また予選トップ10ドライバーは、予選Q2で最速タイムを記録した時のタイヤで決勝レースをスタートしなければならない。予選11番手以下は予選Q3終了時に残っている中からスタート時のタイヤを選択できる。
決勝レース時は、3種類の中から2種類のコンパウンドを使用しなければならない。その内、指定された2種類のコンパウンドから1種類を使用しなければならない。ただし、ウェット時はこの限りではない。
ウェットタイヤについては、チームは予選と決勝レース中に自由に使用できる。ただし、フリー走行時はレースディレクターがウェット宣言した場合のみ使用可能だ。
各チームは下記のタイミングで自ら選択したタイヤを返却しなければならない。
・FP1:1セット(開始から40分後)
・FP1:1セット(終了後)
・FP2:2セット(終了後)
・FP3:2セット(終了後)
・予選:ソフト1セット(トップ10のみ予選Q3で使用後)
2019年はカラーリングが7色から3色へシンプルになった。ホワイトがハード、イエローがミディアム、レッドがソフトとなる。
コンパウンドは全5種類で、硬い方から1〜5まで数字で識別する。
テスト中のみ、最も硬いC1と最も軟らかいC5にはストライプは表示されず、ピレリロゴにのみカラーリングされる。
また、2020年に向けて開発中の「プロトタイプタイヤ」にはピレリロゴを含めマーキングが全く施されない真っ黒なタイヤとなる。
今年からリアタイヤのタイヤウォーマー最高温度が80℃に制限され、結果的に内圧が低く設定される。フロントタイヤは従来の100℃のままとなる。
これは特に気温が低い環境において、フロントタイヤのウォームアップが促進され、グレイニング(ささくれ状態)のリスクが低減される。
2019年から「薄いトレッド」が採用される。これは2018年に新しいアスファルトでのレースで使用した薄いトレッドが、目標通りオーバーヒートを抑制できたため採用となった。
インターミディエイト・タイヤ(グリーン)は、より幅広いコンディションにも対応できるよう設計され、ウェット路面における性能の向上を遂げた。
フルウェット・タイヤ(ブルー)はトレッド形状が再設計された結果、耐アクアプレーニング性能が向上し、豪雨の際のドライバビリティが向上した。
2018年のフルウェットとインターミディエイトは、高温用と低温用の2種類が存在していたが、2019年シーズン用は汎用的な使用が可能となったため、各1種類となった。
オーバーヒートを抑制すべく、2019シーズンのタイヤ作動温度領域は若干高くなっており、全体的に作動温度領域が拡大している。
C1:110-140°C(最も硬い)
C2:110-135°C
C3:105-135°C
C4:90-120°C
C5:85-115°C(最も軟らかい)
2019年のF1タイヤは、全体的にツヤツヤの光沢感があるタイヤになっている。これはタイヤを製造する工程でモールド(型)にクロームを初めて採用したために外観に艶が出ているということだが、タイヤのパフォーマンスには影響はないという。