元F1ドライバーであり、現在もF1ドライバーによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)の会長を務めるアレクサンダー・ブルツが、今季から導入された新たなF1レギュレーションを高く評価した。
●【2022F1第1戦バーレーンGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数
現在はモータースポーツ・コンサルタントとしても活躍している48歳のブルツは、今季のF1開幕戦バーレーンGP終了後に次のように語った。
「私はこれで長期的にチームの差を縮めることができると100パーセント確信できたよ」
「これは、第一に空力、そして第二に予算制限によるものだ」
だが、20日(日)に決勝が行われた今年のF1開幕戦バーレーンGPでは、これまでとは勢力図が大きく書き換わったことが示された。
フェラーリはもちろん、フェラーリからエンジン供給を受けるチームが大きく躍進。その一方で、これまで8年連続でコンストラクターズタイトルを獲得してきたメルセデスや、メルセデスエンジンを搭載するチームは苦戦を強いられている。
「短期的に見れば、そうではない方向へ向かうこともあるよ。ある人がほかの人たちよりもレギュレーションをうまく読むことでね」
母国オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』にそう語ったブルツは次のように付け加えた。
「しかし、それは遅くとも2シーズン目もしくは3シーズン目には視野に入ってくるだろう。素晴らしいスポーツの基礎が築かれたわけだからね」
かつて、ベネトン、マクラーレン、ウィリアムズに所属していたブルツは、各チームの2022年型マシンに見られるコンセプトの多様性には感銘を受けたとしながらも、どれが正解なのかを告げられるのは“ストップウォッチ”だけだとしている。
2022年の開幕戦をリタイアという最悪の結果で終えてしまったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にとって、2021年に初めて獲得したF1ドライバーズタイトルを防衛するのは難しいと思うかと尋ねられたブルツは次のように答えた。
「ニキ・ラウダの言葉を借りたいと思う」
「彼はこう言ったよ。『最初のタイトルの後は、すべてがずっと楽になる。それ以上証明するものは何もなく、今この場のことに集中するだけだ』とね。マックスもこれに当てはまるよ」
ブルツはさらに、通算8回目のF1ドライバーズタイトル獲得を目指すルイス・ハミルトン(メルセデス)に関しても次のように語った。
「ルイス(ハミルトン)に関しては、アブダビ(2021年F1最終戦)で起こったことが彼にさらなるインスピレーションを与えていると思う。だから、ワクワクするようなことになると思うよ」