フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが、2022年F1シーズンが始まり、もしライバルチームが優れた開発をしてきたことがわかった場合、自分たちがそれをコピーする可能性もあると認めた。
メルセデスを率いるトト・ヴォルフ(チームCEO兼代表)は、今年はフェラーリが手強いライバルとなる可能性があると考えている。
「彼らは風洞でより長い時間をかけることができた。それは(2020年を)1位ではなく6位で終えたことによるアドバンテージだ。私は、それはコンマ数秒のアドバンテージだと思っているよ」
そう語ったヴォルフは次のように続けた。
「実際のところ、2009年にはダブルディフューザーによってそうなったが、誰でも上位にいくチャンスがあるからね。1人のファンとして、僕はフェラーリが大好きだし、彼らのマシンに競争力があることが重要なんだ」
「今年はいくつかのチームが勝てるようになることを期待しているよ」
今年導入された新たなF1技術レギュレーションは、これまでよりも制約が大きく、どのチームのマシンも同じようなものになるのではないかと予想している者も多かった。
しかし、実際のところ、フェラーリの2022年型F1マシン『F1-75』はほかのチームのマシンよりもかなり大胆に設計されているようだ。
今季フェラーリ移籍後2年目のシーズンを迎えるカルロス・サインツは、新レギュレーションによる制約がかなり大きいにもかかわらず、これまでに発表された各チームの2022年型マシンの外観がかなり違うことに「少し驚いている」と認め、次のように語っている。
「より自由度の高い部分に関しては、今年のマシンは本当に違っているよ」
ビノットは、フェラーリでは今後その“違い”を注視していくつもりだと次のように続けた。
「観察し、よいソリューションがあれば、それをコピーし、できるだけ早く導入することも必要になるだろう:
「最初は多くの開発を目にすることになるだろうし、チームごとにそれに関連するパフォーマンスを示すことになる。だから、必ずしもスタート時に最速だったクルマが、5、6レース後に最速のままとは限らないんだ」
だが、メルセデスのヴォルフがフェラーリを2022年の優勝候補に挙げていると聞かされたビノットは、フランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』に次のように主張した。
「それどころか、今のF1チャンピオンが自分たちだとは私は思っていないよ。ドライバーであれ、マニュファクチャラーであれ、昨年チャンピオンになったのはほかのチームだし、彼らは我々よりもずっと強かった」
「彼らの方が有利な形でシーズンを終えたんだ」
「なぜ、彼らが我々のことをこういうふうに言っているかといえば、何より自分たちのプレッシャーを軽減させるためだと私は思っている。だが、申し訳ないが、プレッシャーをかけ続けられるかどうかは彼ら次第だよ」
そう語ったビノットは次のように付け加えた。
「自分たちに関して言えば、我々が美しいマシンを造ったのは事実だ。だが、美しいクルマだからといって速いとは限らないよ」