アルファロメオのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、今後もフェラーリとの協力関係は維持されていくことになると主張した。
バスールは、2022年シーズンに向けてフェラーリのアカデミードライバーであるアントニオ・ジョビナッツィとの契約を延長せず、中国人ドライバーの周冠宇(チョー・ガンユー)をその後任として起用することにしている。
これまで、スイスに本部を置くチームは、エンジンパートナーであるフェラーリの育成ドライバーであるシャルル・ルクレール(現フェラーリ)やジョビナッツィにF1参戦の機会を提供してきていた。
しかし、今年アルファロメオが起用することになった周は、昨年はアルピーヌのテストドライバーを務めながらF2選手権に参戦していたドライバーであり、フェラーリとの関係はない。
そうしたことから、アルファロメオとフェラーリの関係にも変化が生じてきているのではないかとの憶測もされているようだ。
しかし、バスールは『Motorsport-Magazine.com』に次のように語った。
「我々がほかの選択肢を選んだのは事実だが、それは将来的にフェラーリとのビジネスができなくなるということを意味するものではないよ」
バスールは、今年メルセデスから移籍してきたバルテリ・ボッタスとともに22歳の若い周を起用することにしたのは、初の中国人F1ドライバーを走らせることでチームにとっても新たなチャンスが生まれることを期待してのことだと示唆している。
しかし、バスールは、アルファロメオは今後もフェラーリがアカデミードライバーを送り込むためのプラットフォームとなる可能性もあると示唆し、次のように語っている。
「フェラーリにしても毎年ルーキーを移籍させる必要はない。だから、我々も1年ごとに取り組むことになる。そして、それは両者において非常に明確になっているよ」
一方、バスールは今年F1デビューする周がうまく適応するためには、昨年までメルセデスで走っていた32歳のボッタスが重要な役割を果たすだろうと考えている。
「バルテリがシーズン序盤に新人に手を貸す必要があるのは言うまでもないことだ」
スイスの『Blick(ブリック)』紙にそう語ったバスールは次のように付け加えた。
「そして、それは間違いなくチーム全員、そしてすべての部門のやる気につながるはずだよ」
しかし、2017年から5年間所属したチャンピオンチームを離れ、昨年はコンストラクターズランキング9位に沈んだ弱小F1チームの一員となったフィンランド出身のボッタスは、自分がチームのナンバー1だと考えてはいないという。
「ウィリアムズでもそういう数字ゲームを考えたことはなかったよ。チームとしてでなければ非常にうまく機能することはできないんだ」
パストール・マルドナード(2013年)やフェリペ・マッサ(2014~2016年)をチームメートとして戦っていたウィリアムズ時代に言及しながらそう語ったボッタスは次のように付け加えた。
「だから、僕は周を全面的にサポートするつもりだよ。そして、彼は速くてレースに勝てるということをこの2年間(F2)で証明して見せているよ」