ルノーの事実上のF1ワークスチームであるアルピーヌと決別した元F1ドライバーのアラン・プロストによれば、2022年にアルピーヌF1マシンに搭載されるルノーの新エンジンには「信頼性の問題」があるようだ。
アルピーヌは、イギリスのエンストンとフランスのヴィリー-シャティオンにファクトリーを構えており、前者は主にシャシーを、後者ではエンジンの設計・製造が行われている。
ルノーは、過去3年間にわたって同じ基本構造を持つエンジンをベースとして、それを改善し続けてきていた。
だが、2021年までのルノーF1エンジンは、メルセデスやホンダとの比較では30馬力以上劣っていたと言われている。それゆえ、ルノーでは、そのギャップを埋めるために2022年には新たに設計されたエンジンを投入する決断を行っている。
ルノーのCEOを務めるルカ・デ・メオは最近、2022年シーズンに投入することになる新エンジンについて次のように語った。
「より小さくなり、より軽くなり、重心も改善される。それにより、空力も改善する余地が生まれるだろう」
しかし、現役時代に4回F1チャンピオンとなった実績を持つ66歳のプロストは、母国フランスの『L'Equipe(レキップ)』に次のように語った。
「(ルノーの)2022年型エンジンには小さな信頼性の問題がある」
「テストベンチでのシミュレーション中に、パワーユニットがまだ望ましいレベルで動作していないことがわかったんだ」
「それは野心的なプロジェクトだ。パフォーマンスがどうなのかという疑問もあるが、それはマシンが実際にサーキットを走るまではわからないよ」
2017年からルノーF1チームのアドバイザーとなり、2019年からは非常勤取締役として活動していたプロストだが、最近、アルピーヌがプロストとの関係を終了したことを発表している。
今回のプロストのチーム離脱の最大の原因は、昨年1月からアルピーヌのCEOとなったローラン・ロッシとの確執だと言われている。