もしもルイス・ハミルトン(メルセデス)が突然F1を引退することになった場合には、メルセデスはその後任として現在アストンマーティンに所属しているセバスチャン・ベッテルの獲得に動くのではないかとの噂がささやかれるようになっている。
今月7日に37歳となったばかりのハミルトンだが、2021年のF1最終戦アブダビGPで思わぬ形で勝利を逃すと、レースを統括するFIA(国際自動車連盟)への信頼を失ったことでこのままF1を引退してしまう可能性があると噂されている。
ハミルトン本人はその後沈黙を守り続けており、本当にF1を去ることになるのか、あるいは今年も通算8回目のドライバータイトル獲得を目指して戦うのか、現時点ではまったくわからない状況が続いている。
だが、万一ハミルトンが本当に引退を決めたならば、非常に大きな問題を抱えるのはメルセデスだ。実際に、あと1か月ちょっとで2022年のプレシーズンテストが始まるという段階で新たなドライバーを決定するというのは非常に困難であることは間違いないからだ。
しかし、最近の噂では、メルセデスはすでに自分たちの支配下にあり現在はアルピーヌで走っているエステバン・オコンや、同じくメルセデス所属ドライバーであり、昨シーズンのフォーミュラEチャンピオンとなったニック・デ・フリースの起用に向けた準備も水面下で進めているようだとも言われている。
こうした中、ドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハは、メルセデスがレッドブル時代に4年連続でF1チャンピオンとなったベッテルに目を付けるのは当然だと考えている。
「彼には経験があるし、今でもスピードがある。そして、何よりもメルセデスのマシン、あるいはエンジンのことを知っている。アストンマーティンのコンセプトは(メルセデスと)非常に近いと私は思っているよ」
テレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』にそう語ったラルフ・シューマッハは、ベッテルがメルセデスに移籍する可能性があるという噂がささやかれるようになったのは、これまでアストンマーティンのチーム代表を務めていたオットマー・サフナウアーが離脱したことも関係しているのではないかと次のように付け加えている。
「アストンマーティンで起こったこの人事的変化は、セバスチャンにとっては理想的なことではないかもしれない。オットマー・サフナウアーと彼はいいチームだったと私は思っているよ」