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F1勢力図に大きな変化が期待される2022年 メルセデスやレッドブルが出遅れる可能性も?

2022年01月11日(火)17:47 pm

2022年のF1はこれまでとは大きく異なる技術レギュレーションのもとで争われることになるが、これがチームの力関係に大きな変化をもたらす可能性もある。

2014年にパワーユニットとも呼ばれるハイブリッド方式F1エンジンが導入されて以来、2020年までメルセデスがドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを独占するという1強時代が続いていた。

しかし、2021年のドライバーズタイトル争いはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとメルセデスのルイス・ハミルトンとの間で最終戦の最終ラップまで繰り広げられ、ついに8年ぶりにメルセデス以外のドライバーがF1チャンピオンに輝いた。

コンストラクターズタイトルは2021年もメルセデスが獲得したが、どちらのチームもタイトル獲得に向けて膨大なリソースと時間を費やしてきたのは確かだ。

その一方で、ほかのチームは2021年を過渡的な年と位置づけ、早期に2021年型マシンの開発をやめ、新レギュレーションに対応した2022年型マシンの開発に大きな力を注いできていた。

こうしたことから、これまでとは大きく異なるコンセプトが導入される2022年には、これまで絶対的な強さを誇ってきたメルセデスやレッドブルが出遅れてしまい、これまで中団や下位に沈んでいたチームが上位争いを展開することになる可能性もあると考えられている。

■2022年は混戦を予想するメルセデス

実際のところ、メルセデスのチーム代表を務めるトト・ヴォルフもその可能性を否定していない。

「昨年、F1タイトルを争わなかったチームが上位争いに加わってくる可能性はかなりあるだろうね」

「フェラーリ、マクラーレン、アストンマーチン、そしてアルピーヌらが知的なコンセプトを打ち出し、非常にうまくやる可能性があるよ」

そう語ったヴォルフは次のように付け加えている。

「タイトル争いやレースがこれまで以上に接近した戦いになることが期待できるし、ワクワクするよ」

■2021年のツケが回ってくる可能性もあるとレッドブル

レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーも、今年は自分たちが2021年にタイトル争いに集中していたことによるしっぺ返しをくらう可能性があることを認めている。

「フェラーリが最速のクルマを持ち込み、最初のレースで我々を打ちのめすようなことがあれば、それはおそらくそのためだったのだと言わざるを得ないだろうね」

「2022年に大きなレギュレーション変更があることは誰もが知っていたし、それに応じてリソースを投入してきた。各チームが正しいと思うことを行ってきたのは確かだ。だが、もちろん、メルセデスとの戦いが組織にプレッシャーを与えたのも事実だ」とホーナーは認めている。

■レギュレーション変更によるサイクル変化を期待するフェラーリ

ホーナーが言及したフェラーリは、2021年シーズンを通じて2022年型マシン開発に注力してきていた。勝ち目のない2021年シーズンに無理をするよりも、2022年が自分たちにとって非常に大きなチャンスとなる重要な年であることが分かっていたからだ。

2007年のキミ・ライコネン以後ドライバーズタイトルから見放されているフェラーリは、2021年にはコンストラクターズランキングで前年の6位から3位に順位を上げたものの、メルセデスとレッドブルには大差を付けられている状況に変わりはない。

それゆえ、フェラーリでは2022年を名門復活のためのカギとなるシーズンと位置づけており、そのためには2月23日(水)から25日(金)にかけてバルセロナで行われるプレシーズンテストで2022年型マシンがどれほどのパフォーマンスを発揮してみせるのかに大きな注目が集まるのは間違いない。

フェラーリのレーシングディレクターを務めるローラン・メキーは、2022年シーズンに向けて次のように語った。

「我々にとってのターニングポイントにしたいのは山々だが、優勝争いができなかったところはどこも同じだよ。彼らも同じことを考えるだろうから、そういう意味での挑戦となることは意識しているよ」

「順位変動に関しては、そうなるかもしれない。すべてがひっくり返るようなことになると言っているわけではないよ。でも、過去にレギュレーションが大きく変わったときにサイクルが変わったことも何度かあったんだ」

■最下位脱出に自信を見せるハース

一方、2021年シーズンをコンストラクラーズ選手権最下位で終えたアメリカンF1チームのハースも、2022年が自分たちにとってチャンスの年となることを期待している。

フェラーリと技術提携契約を結んでいるとは言え、低予算の小規模チームであるハースとしては、2022年にはバジェットキャップ(チーム予算上限)が日本円で約160億円に引き下げられることもあり、大規模チームと自分たちの差がこれまでよりも縮まってくる可能性もあると考えているようだ。

ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーは次のように語っている。

「我々はもっといいポジションにいるはずだと、慎重ながらも、そう確信しているよ。2022年には中団でポイントを争えるようになればいいね」

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