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ハミルトンに2022年F1開幕戦で10グリッド降格処分の可能性?

2021年12月20日(月)20:04 pm

任期満了を迎えたジャン・トッドの後任に選任されたモハメド・ベン・スレイエムにとって、先週行われた年間表彰式をボイコットしたルイス・ハミルトン(メルセデス)への制裁問題を検討することがFIA(国際自動車連盟)の新会長としての最初の仕事になりそうだ。

最終戦まで持ち越された2021年のF1ドライバーズタイトル争いは、レース終盤に起きたセーフティカー導入が引き金となってマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が逆転勝利を収めるという劇的な展開となった。

■ハミルトンにF1引退の噂

そして、7回F1チャンピオンとなった実績を持つハミルトンがその結果に幻滅し、突然引退するかもしれないという噂すらささやかれるようになっている。

ハミルトンが突然引退する可能性もあると示唆した張本人であるメルセデスのトト・ヴォルフ(チーム代表)は、自分はそうならないことを望んでいるとドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語った。

「私は楽観的だよ」

「彼は最後の4レースで絶対的に優勢だった」

「だから、来年も我々と一緒にドライブして、より多くの成功を祝ってくれると期待しているよ」

2012年シーズンまでメルセデスのモータースポーツ責任者を務めていたノルベルト・ハウグもこれに同意し、もしハミルトンが議論の余地のない不公平に直面したとしてこのスポーツに「背を向ける」のであれば、それは「F1にとって致命的なこと」だと警告している。

実際のところ、ファンの中には、ハミルトンがF1公式インスタグラムのフォローを解除したことに気付いて動揺している者も少なくないようだ。

■アブダビのようなことは「二度とあってはならない」とメルセデスのボス

「多くのダメージがこのスポーツにもたらされたよ」

そう語ったヴォルフは、アブダビGP決勝の最終ラップに関してF1レースディレクターのマイケル・マシやレーススチュワード(競技委員)が行った対応に言及ながら次のように付け加えた。

「二度とあってはならないことだ」

ヴォルフはさらに、フェルスタッペンが正当なF1チャンピオンであることを最初に受け入れなかったことで「潔くない敗者」と呼ばれたことも自分にとっては何の問題でもなかったとし、次のように続けた。

「このスポーツに対する情熱があり、自分たちのドライバーが第一である限り、それは問題ないと思う。だが、ソーシャルメディア上で行われている罵倒は受け入れられるものではないよ」

フェルスタッペンの母国オランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』にそう語ったヴォルフは次のように付け加えた。

「もちろん、私はオランダのファンの意見や考え方は尊重しているよ」

■システム見直しが必要だとレッドブル首脳

レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)も、F1レースディレクターのマシにとって激戦となった2021年シーズンは「荷が重すぎた」のだとしつつも、「システムが見直される」間はオーストラリア出身のマシは今の仕事を続けるべきだと考えているようだ。

「スチュワード(競技委員)たちは今年、我々とメルセデスを動揺させるような多くの決定を下した」

そう述べたマルコは次のように続けた。

「今後、判断の統一が確立されなければならないね」

「ハミルトンは間違いなくアブダビでは不運だったが、我々もシルバーストーン(イギリスGP)、ブダペスト(ハンガリーGP)、バクー(アゼルバイジャンGP)では不運だった。レースとはそういうものだよ」

「今後、マイケル・マシを助けるシステムに取り組むことが新しいFIA会長の役目だよ。彼(マシ)がひとりですべてを担うことはできないからね」

■「ハミルトンのルール違反を検証する」と新FIA会長

一方、年間トップ3に入ったF1ドライバーはシーズン後に行われるFIAの表彰式典への参加が義務づけられているが、これをボイコットしたハミルトンに対しては批判もあれば、擁護する声もあるようだ。

しかし、トッドの後任を務めることになる新FIA会長のベン・スレイエムは、何らかの罰則をハミルトンに与えるべきだと考えているようだ。

「まず、ドライバーとしては感情的になってしまうが、結局のところ、ルールはルールだ」

自身もかつてはラリーなどに参戦していた元ドライバーであるベン・スレイエムはそう語ると、次のように続けた。

「彼が違反したのかどうか、私はそれを調べなければならない」

「人に優しくするのは簡単だし、優しくしたり、それでやる気を出させたりするのは安上がりだ。しかし、もし違反があれば、それに関しては許すわけにはいかないよ」

■ハミルトンに2022年開幕戦でグリッド降格も?

こうした中、イギリスの『Express(エクスプレス)』は、ハミルトンには2022年のF1開幕戦バーレーンGP(3月20日決勝)で10グリッド降格ペナルティが科される可能性もあると報じている。

この問題が今後どのように展開していくのかは予断を許さないが、仮に『Express(エクスプレス)』が言うようにハミルトンが開幕戦で大きなグリッド降格ペナルティを受けることになれば、F1ドライバーズタイトル奪還に向けた新シーズンの最初のレースで大きなハンディキャップを負うことになりそうだ。

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