このほど12年にわたって務めてきたFIA(国際自動車連盟)の会長職を任期満了したジャン・トッドが、かつてチーム代表を務めていたフェラーリにアドバイザー的な立場で復帰する可能性があるという噂を否定しようとはしなかった。
2021年のF1最終戦が行われたアブダビにおいてこの噂について質問されたフェラーリのマッティア・ビノット(チーム代表)は次のように答えていた。
「トッドはFIAの会長として非常によくやってくれたし、彼は私が非常に尊敬している人物だ」
「チームには、常に改善する方法があるし、付加価値をもたらすことができるのは、常に前向きなことだよ」
そして、ミハエル・シューマッハ時代にフェラーリを率いて大成功を収めた実績を持つ75歳のトッドも、今後F1やフェラーリへ復帰する可能性を否定していない。
今のところ何もない」と彼は『L'Equipe(レキップ)』に語っている。
「今のところは何も決まっていないよ」
「我々は現実的でなければならない。国際連合と共に交通安全に取り組むことが、私にとっては何よりも優先すべき、最も重要なことなんだ」
母国フランスの『L’Equipe(レキップ)』にそう語ったトッドは、次のように付け加えた
「しかし、私がすでに行っていることと両立することができる限り、ほかの機会への扉を閉じることはないよ」
一方、トッドは、2013年末にスキーで転倒して以来、いまだ公の場でその姿を見ることができない7度F1王者となったミハエル・シューマッハについてコメントを求められると次のように答えた。
「ミハエルがいなくてさびしいよ」
「彼がここにいないのは非常につらいことだ。彼は私の人生の一部であり、これからもずっとそうだからね」
「今はさらにつらいよ。と言うのも、私がFIAの会長になったときには、妻と息子、そしてミハエルの3人が一緒にいたからね」
「そして、私はあのときのことを決して忘れることはないだろう。ミハエルは決して戦うことをやめないし、彼がいないことをさびしく思わない日は一日たりともないよ」
そう語ったトッドは次のように付け加えた。
「だが、彼はまだここにいる。彼は変わってしまった。しかし、彼はここにいて、我々みんなに力を与えてくれているよ」