「フェルスタッペンとハミルトンがクラッシュする可能性は高い」と元F1ドライバー
元F1ドライバーのアレクサンダー・ブルツが、マックス・フェルスタッペン（レッドブル・ホンダ）とルイス・ハミルトン（メルセデス）がクラッシュする可能性もあると示唆した。
2021年のF1も今週末のサウジアラビアGP（5日決勝）とその翌週に行われる最終戦アブダビGP（12日決勝）の2レースを残すのみとなっている。
わずか8ポイント差で今週末のサウジアラビアGPを迎えるフェルスタッペンとハミルトンが、今年のタイトル獲得に向けて、完成したばかりのジェッダ市街地サーキットで熾烈な戦いを展開することになるのは間違いない。
そして、F1関係者やファンの中には、この2人がクラッシュしてタイトル争いの決着がつく可能性もあるのではないかと危惧している者も少なからずいるようだ。
かつてマクラーレンやウィリアムズで活躍した元F1ドライバーであり、現在はF1ドライバーによる任意団体であるGPDA（グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション）の会長を務めるアレクサンダー・ブルツは次のように語っている。
「彼らは恐らくどこかの時点でコース上で顔を合わせることになるだろう。そして、そこで厳しい戦いになれば、統計的に見てもまたクラッシュする可能性がかなり高いだろうね」
実際のところ、現在8ポイントのリードを許しているハミルトンにとっては、今週末のレースの舞台となるジェッダ市街地サーキットでフェルスタッペンとクラッシュして自身がリタイアしたり、あるいは十分なポイントを得られなくなったりすることにメリットは全くない。
だが、現時点でポイントをリードしているフェルスタッペンにとっては、マシンのパフォーマンス面でメルセデスに分があると考えられているだけに、相手にぶつけてでもそのリードを守る方が得策だという見方もできるだろう。
「ドライバーが最初からそんなことを考えることは絶対にないよ。そして、誰かが意図的にライバルにぶつけるような時代はもう終わっているんだ」
母国オーストリアの『Osterreich（エステルライヒ）』紙にそう続けたブルツは次のように付け加えた。
「しかし、自分がリードしているときに本当にハードに攻めるのは全く当然のことだよ」
一方、ドイツ出身の元F1ドライバーであり、7度F1王座に就いたミハエル・シューマッハの弟でもあるラルフ・シューマッハは、今年のタイトル争いは最後までクリーンなものであって欲しいと次のように語っている。
「もう終わりに近づいていることだし、過去数週にあったいくつかの話題は少し脇に置いておいて欲しいと願っている」
「チーム（レッドブルとメルセデス）のボスたちが少し自制してくれることを期待しているし、もちろん、最後にFIA（国際自動車連盟）によってF1タイトルの行方が決まるようなことにならないよう願っているよ」
ラルフ・シューマッハは、メルセデスとレッドブルのボスたちが、お互いに相手のF1マシンのウィングやエンジン、その他の革新的な技術について非難し合うといった状況になっていることに苛立ちを感じていると認め、次のように付け加えた。
「証拠をつかんで抗議するか、あるいは口を閉ざすかのどちらかにして欲しいよ。今年の素晴らしい戦いはクリーンであるべきだ。そうでなければ、とても残念なことだよ」
「私は、両方に対してそう言っているんだ」
