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【F1】今季の残り2戦で有利なのはフェルスタッペン?ハミルトン?

2021年11月23日(火)17:53 pm

2021年のF1シーズンもあと2戦を残すのみとなったが、今季のF1タイトル争いは最終戦のアブダビGP(12月12日決勝)まで持ち越される可能性が極めて高くなっている。

来週末に行われる第21戦サウジアラビアGP(12月5日決勝)で今季のドライバーズタイトル争いに決着がつくひとつの条件は、現在8ポイント差でリードしているマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が2位以上でフィニッシュし、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がノーポイントで終わった場合などだ。

この場合はフェルスタッペンが最終戦を前にハミルトンに対して26ポイント差をつけることになる。仮にハミルトンが最終戦で勝利するとともにファステストラップも記録すれば26ポイントを獲得することができ、フェルスタッペンと同ポイントで並ぶことになる。だが、その場合には年間の勝利数によってタイトルのゆくえが決まることになり、現時点で年間9勝をあげているフェルスタッペンに軍配が上がることになる。

仮にサウジアラビアでハミルトンが勝利してフェルスタッペンがノーポイントに終わったとしても、数字的には最終戦で逆転できるチャンスが残るため、その時点でのチャンピオン決定はない。

いずれにしても、フェルスタッペンにしてもハミルトンにしても、2021年のチャンピオンとなるためには残りの2レースをいずれも勝利で飾ることを目指すしかない状況だ。

だが、現時点では8ポイントの差があるとは言え、F1関係者の中には直近2レースで圧倒的な速さを見せて勝利を飾ったハミルトンの方に勢いがあると考えている者が少なくないようだ。

伝説的元F1ドライバーであるニキ・ラウダの息子であるマティアス・ラウダは、母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に次のように語った。

「もしルイスが残りの2レースで勝利すれば、彼がタイトルを勝ち取ることになる。そして、彼にもそれが分かっているよ」

一方、フェルスタッペンを擁するレッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)は、今年のタイトル獲得がかなり厳しい局面を迎えていることを認めている。

「我々はカタールではミスをしてしまったんだ」

「最初のプラクティスセッションでは我々がコンマ4秒上回っていたが、その後、我々は失速してしまった」

「逆に、ハミルトンは徐々に改善し、必要なだけクルマのパフォーマンスを引き出すことができていたんだ」

「フリー走行3回目のセッションで、我々は突然、最初のコーナーでコンマ3秒も失ってしまったよ」

一方、第19戦ブラジルGPではストレートでのスピードによる大きなアドバンテージを持っていたメルセデスだが、カタールGPの舞台となったロサイル・インターナショナル・サーキットのストレートではそれほど飛び抜けた速さを示すことはなかった。

マルコはこれについて次のように付け加えている。

「トップスピードではお互いに接近していた。ここ数週間において初めて、我々の方が不利な状況ではなかった」

マルコは、メルセデスとレッドブル・ホンダのトップスピードがカタールにおいて接近してきたのは、メルセデスのリアウイングが大きくたわむのではないかと噂されている中で統括団体であるFIA(国際自動車連盟)がその取り締まりを強化したことによるものではないかとほのめかしている。

そしてマルコは、メルセデスは新たなテスト基準に合格するために問題のあるウイングをカタールでは使用しなかったのだと主張している。

しかし、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、メルセデス関係者がマルコのコメントに次のように反論したという。

「それは違う。ウイングは換えていなかったよ」

「いずれにせよ、ウイングは石のように硬いんだ。100キログラムを吊り下げることもできるよ。だから、レッドブルは次は105キログラムを要求するかもしれないね」

実際のところ、カタールでのメルセデスF1マシンにブラジルのときのようなストレートスピードがなかったのは、エンジンによるものだった可能性が高いようだ。というのも、メルセデスがブラジルでハミルトンのマシンに投入した“ロケット”とも表現された新エンジンがカタールでは使用されていなかったのだ。

だが、メルセデスがそのエンジンを残りの2レースに投入するつもりであることは間違いないようだ。

メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(チーム代表)は「我々はそこで、魅惑的な新しいエンジンの梱包を解くことになるだろう」と語っている。

来週末から2週連続で開催される今年最後のF1レースで、ハミルトンがメルセデスのエンジンパワーを生かして逆転で通算8回目のタイトルを手にするのか、あるいはフェルスタッペンがリードを守り切ってホンダが有終の美を飾ることができるのか、世界中から注目が集まることになるのは確かだ。

ともあれ、初開催となるサウジアラビアGPの舞台、ジェッダ市街地サーキットをうまく攻略できた者が最終戦に向けて優位に立つことになるのは間違いないだろう。

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