バルテリ・ボッタス(メルセデス)が、先週末に行われた今季のF1第20戦カタールGPで自分が走らせたマシンはチームメートのルイス・ハミルトンのものと同じスペックではなかったことを明らかにした。
●【F1第20戦カタールGP】決勝レースのタイム、周回数、ピット回数
今季限りでメルセデスのシートを失い、2022年はアルファロメオに移籍することが決まっているボッタスだが、カタールGP予選では3番手につけたものの、予選での黄旗無視により決勝では3グリッド降格ペナルティを受けてしまった。
予選2番手だったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)も同じく黄旗無視で5グリッド降格となり、その結果決勝はボッタスが6番グリッド、フェルスタッペンが7番グリッドからのスタートとなっていた。
だが、決勝がスタートするとフェルスタッペンがうまく順位を上げたのに対し、ボッタスは大きく順位を落としてしまい、チームが期待していたハミルトンのサポート役としての役割を果たすことができなかった。
こうした中、かつてトヨタやヴァージンで活躍した元F1ドライバーのティモ・グロックは母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』を通じてボッタスに次のような苦言を呈した。
「彼がルイス・ハミルトンをサポートしたいと思っているという印象を与えるようなポジションにいることは決してないよ」
「彼は、最近のレースはわずかなリスクも抱えずに走っていると思うし、トト・ヴォルフ(メルセデス/チーム代表)は常に無線を通じて彼にやる気を出させるようにする必要があるんだ」
「今年のF1タイトルはルイスとマックスが自分たちだけで決めることになると思うよ」
2013年にケータハムに所属していた元F1ドライバーのギド・ヴァン・デル・ガルデも同意見だ。
「ボッタスのレースはまたしても軟弱だった」
「僕は、『さあ、行け! ブレーキを少し遅らせろ!』と考えていたよ。ターン2などでは、彼はほかのドライバーたちに追い抜かせるだけだった」
母国オランダの『Ziggo Sport(ジッホ・スポルト)』にそう語ったヴァン・デル・ガルデは次のように付け加えた。
「彼は意気地なしのようにコーナーを曲がるんだ」
カタールでのボッタスのパフォーマンスについて質問されたメルセデスF1チームを率いるヴォルフは次のように答えている。
「先頭にいるときの彼が後続との差を開くことができるのは分かっている。だから、速さはあるんだ」
「残りのレースでは彼もやってくれると確信しているし、我々がいいクルマを持てるよう願っているよ。そうすればバルテリも再び前にいられるだろう。彼にはそこにいてもらうことが必要だからね」
一方、最終的にはタイヤのバーストによりマシンにダメージを負ってカタールGP決勝をリタイアで終えた32歳のボッタスは、ロサイル・インターナショナル・サーキットで自分のパフォーマンスに精彩がないように見えたのはクルマにも原因があったのだと示唆している。
「その理由は分かっているよ。詳細は話せないけれどね」
「だけど、僕のクルマは以前のものと全く同じではなかったし、ルイスのとも同じではなかったんだ」
母国フィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』にそう語ったボッタスは、次のように付け加えた。
「クルマには少しばかり違いがあったんだ」